2002年度 札幌向山型国語研究会例会記録

2002.4.6

遅くなりましたが、第1回札幌向山国語研究会の報告をします。
4月6日、10時から12時まで札幌北区民センターにて
参加10名(入学式と重なり、会員の皆様にはご迷惑をお掛けしました)

内容
・椿原先生によるメディアリテラシー授業(言語技術学会(新潟))の再現授業:佐藤
・千葉幹雄先生による向山型国語講座「分析批評の基礎・基本〜視点」

参加者の感想です。
▼研修会の中身に関しては、予想以上のもので、終わった後、「勉強したなあ」と満足でいっぱいでした。「参加している!」という実感がわき上がってくるもので、佐藤先生の再現授業からはじまり、千葉先生の分析批評の講座に至るまで、メモのしっぱなしでした。特に分析批評については、視点の区別はいつも授業で悩む所です。千葉先生の講座を聴き、今後の授業に生かしていくぞ、という意欲が湧きました。
ありがとうございました。
▼千葉先生の講座。
私は生まれて初めて分析批評を体験しました。
・「分析批評のためだけの分析批評であってはならない」(メモ)
・教材を全員が読めるための指導方法
学びました。
▼ 千葉先生の講座を受けながら,「やっぱり自分は我流だ…」と何度も感じました。音読させる時の漢字の扱い一つにしても,それぞれに意図があるのですね。
 また,帰ってから2時間ほど宇佐美先生の「問題意識2」を読んでいました。椿原先生の「メディアリテラシー」の授業の「事実と伝聞・推量」の区別は,言語技術として正しいかどうかが気になったためです。これは,「意見と事実を区別せよ」という国語教育の常識に対しての問題提起であると思います。

2002.6.1

参加者12名 講師 千葉先生,事務局 太田,三木,佐藤真史,三本木,遠藤,伊藤,荒井,佐藤裕三,棚橋,松岡,五十嵐

内容
模擬授業
1,『新しい友達』での向山先生介入報告 佐藤真史
2,『さるるるる』の再現授業 三木
3,若山牧水の短歌の授業 松岡
4,向山型国語入門「要約指導」 千葉幹雄先生

あの(!)松岡先生が向山国語に挑戦。次回も模擬授業に立候補されています。
千葉先生のていねいな要約指導入門,
「理恵子は昨日東京へ行った。」(原実践と名前が違うのがミソ)
「桃太郎の要約」
千葉先生ならではのもう一歩のつっこみがあります。
知っていたはずなのに知っていたつもりでした。
我流がありました。
毎回,勉強になります。

2002.7.6

参加者10名 講師 千葉先生,事務局 太田,三木,佐藤真史,
遠藤,伊藤,荒井,佐藤裕三,島野,加藤

内容
模擬授業
1,6月向山国語教え方教室(東京会場)椿原先生の再現授業 島野
2,一字読解「川とノリオ」伊藤
3,「ゆきのなかのこいぬ」佐藤裕三
4,向山型国語入門講座「ふるさとの木の葉の駅」 千葉幹雄先生

赤井川の加藤先生が入会してくださいました。
模擬授業も増え,だんだん内容が濃くなっていきます。
4回目は今までに増してためになりました。
島野先生の「無人島で暮らすとしたら」(椿原先生の再現授業)はビジュアルに国語を授業するということはこういうことなのだとはっきり示してくれました。
再現授業を通じて【札幌向山型国語研究会】では「向山型」の最新の情報にふれることもできます。
「向山型国語教えかた教室」誌8号にこの題材の論文審査評が載っております。
伊藤先生の一字読解「川とノリオ」は発問のテンポ,発問の組み立て,言葉の吟味ということを考えさせてくれました。何度聞いても一字読解は国語のみならず,ほかの教科に応用が利くのでとても得した気になります。
佐藤裕三先生の「ゆきのなかのこいぬ」は謎解きがとっても楽しい教材でした。
作者と話者の違いや分析批評の入門としてもとてもおすすめです。
裕三先生の語り口,指示,発問・・・どれをとってもすばらしく次の模擬授業が楽しみです。
千葉先生の講座は演習形式で進められていきました。
詩の読みの指導の入り方,実際に何人かその場で挑戦しました。
いくつ指導法を知っているだろう,いくつ使いこなすことができるだろうとおもわず自分に問いかけてしまいました。
追試できるやり方をたくさん教えていただきました。
続いて発問を考えました。
全員が板書し,千葉先生が検討してくださいました。
向山先生の原実践の発問を読んだつもりでしたがはっきりと思い出せませんでした。
演習形式により,まず自分たちで考えそれから原実践と比較することによりポイントが分かります。しかも千葉先生の解説付きです。
とても幸せな時間でした。腹の底から参加してよかったと思いました。
模擬授業に挑戦してくださった先生,講師の千葉先生ありがとうございました。

2002.8.17

参加者は太田,三木,佐藤の事務局に講師の千葉先生,遠藤先生,坂本先生,さらに大久保先生,シグナスから田上先生,松村先生,そしてパソコンサポートの波多野先生の10人でした。

(田上大輔先生,松村雪子先生,大久保洋子先生,そして仙北谷(せんぼくや)彩先生が新たに加入されました。)

例会報告です。
遠藤先生の「あなたへ(小泉周二)」の模擬授業
とても練られた発問ではっと気付かされることが多かったです。
教材研究のあとがよくわかりました。
1時間の授業の組み立てがここからいろいろ見えてきました。
沈黙の扱い・・・千葉先生ならずとももっと聞きたいところでした。

太田先生のTOSS女教師セミナーの中川先生の再現授業「柿もみじ」
さすが本家の金子先生からフラッシュのデータをいただいただけあってとてもすっきりしていました。
「デジタル気分」で伴先生から「柿もみじ」をどう授業するかと課題を出されたときに手も足も出なかった自分と比較することができました。
すっきりしているということはそれだけでいいんだなと思いました。
最後に太田先生自身でつくられたフラッシュのサイトも良かったです。
最後の写真の選択はオリジナルよりも良かったのではと思わされました。

千葉先生の講義は盛りだくさんでした。
日本語の音の授業
実際数えてみるという作業を通じていろいろなことを学びました。
こうやって我流をなくさなければならないことがよく分かりました。
「それがしは案山子にて候 雀殿」の大森,三木,向山の発問の比較検討に向山先生の発問の深さにいつのまにか気付かされています。
千葉先生というフィルターを通すことですっきりするのです。
次回は5年光村教材「わらぐつの中の神様」です。
楽しみです。

2002.9.7

・参加者
田上先生,佐藤裕三先生,松村先生,波多野先生,伊藤先生,五十嵐先生,荒井先生,三本木先生,高杉先生,酒井先生,事務局,太田,三木,佐藤,講師の千葉先生
七ッ役先生にも入会していただきました。
毎回新しい方が入会されます。どうぞお気軽に参加ください。

・内容
1,荒井先生模擬授業
敬語の使い方の授業
たくさんの素材を用意していただきました。
見ているだけで自分でもアイデアがいろいろわいてきました。

2,酒井先生模擬授業
がまくんの「おてがみ」の一字読解。
低学年の一字読解のテンポとリズム
板書,外国人の氏名表記についていろいろ意見が出されました。
1年生のベテラン教師らしいていねいな授業でした。

3,千葉先生講座
「わらぐつの中の神様」
分析批評による物語の指導
浜上,石岡実践などの法則化第1期の活動にふれることができました。
次回も続きます。
恥ずかしながらこの話,初めて読みました。
いいですねー。

2002.10.5

参加者 荒井先生,仙北谷先生,七ツ役先生,坂本先生,前田先生,伊藤先生,黒田先生,田上先生,遠藤先生,佐藤裕三先生,事務局,佐藤真史,三木,太田,そして講師の千葉幹雄先生の14名です。

内容
1,前田先生の再現授業(岡先生の再現)
2,三木先生の再現授業(伴先生の作文指導再現)
3,佐藤裕三先生の模擬授業「井上陽水〜ワカンナイ」をつかったアンサーソングの授業
4,千葉先生の講座「わらぐつの中の神様」
千葉先生の講座で教材分析と発問づくりを教えていただきました。
続けてみて本当に良さが分かります。
みなさんもいかがですか・・・

2002.11.9

いろいろ忙しいシーズンなので,参加者は今までで最少の7人でした。
(遠藤先生,田上先生,伊藤先生,それに講師の千葉先生,事務局,太田,三木, 佐藤でした。)
しかし,内容はとても濃かったです。
千葉幹雄先生を囲んでサロンのような雰囲気で進んでいきました。
(田上先生談:今日は少人数(6名)で,「千葉ゼミ」といった雰囲気でした。
6人で千葉先生を独占でき,うれしかったです。)

講座内容
千葉先生選,現代短歌50首から
「それとなく紅き花みな友にゆづり そむきて泣きて忘れ草つむ 山川登美子」
みなさん,これをどう解釈しますか?
どう授業しますか?

次に
分析批評の「アイロニー」と「パラドックス」について
とてもわかりやすく説明していただきました。
なんだか角と飛車を同時に手に入れたような気分です。
俵万智,与謝蕪村の句を例にまさにスモールステップの指導でした。
さらにさらに
分析批評でおさえておきたいレトリック(名詞止め,オノマトペ,リフレイン,比喩)
については次回へと続きます。
立原道造全集を持っているわたしとしては至福の時間でした。

2002.12.7

参加者
梅田先生,荒井先生,吉田先生,伊藤先生,七ツ役先生,仙北谷先生,三本木先生,佐藤裕三先生,後藤先生,押田先生,遠藤先生,講師の千葉先生,事務局,太田,三木,佐藤真史の計15名の参加でした。
見学の後藤先生,押田先生が入会されました。

◎模擬授業
1,伊藤先生「降る雪が・・・」
 最後の逆転にやられました。発問の構成はこれからですが,教材研究の成果が光ります。
2,太田先生「主語・述語」
 「も」の扱い,一文の中の主語,述語について考えさせられました。
3,梅田先生「レモン」
 北海道セミナーの模擬授業から,梅田先生は一皮むけました。導入が知的でした。
◎千葉先生講座
「千曲川旅情の歌」
北海道セミナーでできなかった藤村の詩を「色」に視点を当てて教えてくださいました。
「色の否定」にはっとさせられました。

2003.2.1

2月1日(土)例会報告
参加者,仙北谷先生,遠藤先生,佐藤裕三先生,田上先生,押田先生,事務局,佐藤真史,三木,太田,講師の千葉先生。

対決模擬授業第1弾
(1)佐藤真史の授業
詩 イナゴ
(2)仙北谷先生の授業
俳句の授業

千葉先生の講座
「蟷螂は馬車に逃げられし 馭者のさま 中村草田男」

 

2003.3.1


参加者,七ツ役先生,仙北谷先生,遠藤先生,杉本先生,田上先生,松村先生,後藤先生,高杉先生,事務局,佐藤真史,三木,太田,講師の千葉先生。
そして,登別方面からのお客様。

4月27日の椿原先生を迎えてのセミナーの出場者を決める模擬授業対決第2弾でし た。
(内容はセミナー当日のお楽しみに)
(1)荒井先生の授業
高見順の詩
テンポのある指示,発問
(2)三木先生の授業
「吾輩は猫である」
文体の指導
(3)太田先生の授業
最新の漢字文化
(4)杉本先生の授業
フラッシュで作文指導
(5)田上先生の授業
谷川俊太郎の詩
テンポ絶品
(6)高杉先生の授業
高学年の詩の指導
(7)松村先生の授業
あいさつの由来
テンポ,笑顔,指示

千葉先生の講座
「馬追虫の髭のそよろに来る秋は まなこを閉じて想い見るべし 長塚節」

TOSS札幌向山型国語研究会例会記録のページへ

札幌向山型国語研究会のホームページへ

Copyrightsc2000 TOSS(Teacher's Organization of Skill Sharing)All rights reserved
 TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)
 このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません。
 リンクについてもお問い合せください。

inserted by FC2 system