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【同時進行の向山型国語1年(教育出版)】
「けんかした山」
TOSSシグナス/札幌向山型国語研究会 田上大輔
作成日:2009年9月 8日
更新日:2009年9月21日
○授業記録 第1時へ 範読・音読 第2時へ 音読練習 第3時へ 登場人物の検討(1) 第4時へ 登場人物の検討(2) 第5時へ 中心人物(主人公)の検討 第6時へ 場面分け 第7時へ 1、2の場面の要約 第8時へ 3、4、5の場面の要約 第9時へ どうしてしょんぼりしたのか? 第10時へ 主題の検討 |
【授業記録】
第1時 範読・音読 9月3日(木) |
カタカナ練習「リ~レ」
ことわざカード。
暗唱。
聴写(「ノートをひろう。」「これは、ナイフだ。」)
「おおきなかぶ」の1字読解。
教科書は「けんかした山」の学習に入る。
範読を1回。
追い読みを1回。
事情により、ここまででおしまい。
第2時 音読練習 9月4日(金) |
カタカナ練習「ロ~ン」
ことわざカード。
暗唱。
「けんかした山」は、追い読みを1回だけ。
次の時間、自習だったのでその用意・説明。
第3時 登場人物の検討(1) 9月7日(月) |
漢字スキル1番。「山、日」の練習。
ひらがな、カタカナと練習システムは一緒なので、スムーズに進む。
ことわざカード。
暗唱。
「けんかした山」は音読から。
男女1文ごと交替読み。
隣同士1文ごと交替読み。(立って1回、座ってもう1回)
「お話に出てくる人を登場人物と言います。」
と説明する。(「おおきなかぶ」でも扱ったが、その時は「出てくる人」と教えた)
念のため、桃太郎やドラえもんなどで登場人物を確認する。
発問 「けんかした山」の登場人物は誰ですか。 |
「とうじょうじんぶつ」とノートに書かせ、赤鉛筆で囲ませる。(定規を使用)
書き終わったところで、この時間は終了。
第4時 登場人物の検討(2) 9月7日(月) |
この日2回目の国語。
漢字スキル1番「月」の練習。
1学期にやったことわざカード31種類を全ておさらい。よく覚えていた。
1回目の続きで登場人物の検討。
子どもたちからは、山、いのしし、くま、お月さま、しか、うさぎ、くも、ことり、たいよう、ふくろう、きつね、あめ、きじ、おうむ、あかげら、くじゃく、たぬき、火、すずめという意見が出された。
「山は何ページの何行目に出てきますか?」
「78ページの1行目です。」
というように、これらの妥当性を1つ1つ検討していく。
すると、いのししなどの動物で困ったことが起きてくる。
「挿絵」には出ていても、教科書の文章にはないのだ。
「国語の勉強ですから教科書の文章に書いてあることをもとに考えます」
と説明する。(もちろん挿絵はヒントにはなりますが、「根拠」にはならない)
また、教科書には「たいよう」という言葉は出てこないので、教科書に出ている通り「お日さま」という言葉に直させます。
それから、「あめ(雨)」は教科書には出てきますが、登場人物とはいえません。人間のように行動したりお話したりするかどうか、このお話を劇にするときにその役が必要かどうかという登場人物を考える際のポイントも再確認します。(「おおきなかぶ」で学習したことです)
そして、さらにもう一歩突っ込んで聞いていく。
発問 山は何人いますか? |
と聞くと、全員が2人と答える。
その根拠を教科書から探させた。
子どもたちから
「ならんでたっていた」
「どちらの山も」
「りょうほうの山」
「かおをみあわせました」
などと意見が出される。
当然、どうしてこれらが「山が2人いる」という根拠になるのかわからない子もいるので、
指示 全員起立。お隣の人と顔を見合わせたら座りなさい。」(全員できる) 今度は男子だけ起立。1人で顔を見合わせなさい。」(当然、できない) |
というように、言葉の意味を確認していきます。(1年生なので、わかっていそうで意外と言葉を知らないものだ。このようにして1つずつ「語彙」を増やしていく)
さらに、絵をかきながら
発問 「くも」は(虫の)蜘蛛ですか、(空の)雲ですか。 |
と聞く。
これも、教科書から根拠を見つけさせる。
第5時 中心人物の検討 9月9日(水) |
漢字スキル1番。「自分でテスト」のやり方を教える。
ことわざフラッシュカード。
暗唱。
「けんかした山」は音読から。
自分の一番速いスピードで1回読ませる。
ノートに「主人公」と書かせ、赤四角で囲ませる。
お話の中心になる人を「主人公」ということを教え、ドラえもんやクレヨンしんちゃん、ポケモンで主人公は誰かを確認していく。
発問 「けんかした山」の主人公は誰ですか。 |
全員が「山」と答える。
発問 どうして山が主人公だといえるのですか。 |
根拠を教科書から探させる。
子ども達から、
「題名が『けんかした山』だ。」
「出てくる回数が一番多い。」
「多くの場面で山が出てくる。」
という意見が出された。
これはすごい。
大いにほめた。
第6時 場面分け 9月11日(金) |
漢字スキル1番のテスト。
全員100点!
ことわざフラッシュカード。
暗唱。
「けんかした山」は音読から。
たけのこ読みを1回。
説明 お話というのは、いくつかのまとまりでできています。これを「場面」といいます。 |
といい、ドラえもんや桃太郎で例を示す。
ドラえもんであれば、
1.のび太がジャイアンにいじめられる。
2.ドラえもんに秘密道具を借りる。
3.ジャイアンに仕返しをする。
4.秘密道具をとられてやり返される。
という展開だ。
桃太郎であれば、
1.桃から生まれる
2.成長し、鬼退治に向かう。
3.犬・キジ・サルを家来にする。
4.鬼を退治する。
5.宝を持って村に戻る。
という展開だ。
発問 「けんかした山」はいくつの場面に分かれていますか。 |
と聞くと、いくつか意見が出てきたが、根拠を示せたのは5つの場面であった。
挿絵の数や内容をもとにした意見が出た。
第7時 1、2の場面の要約 9月14日(月) |
漢字スキル2番。
ことわざカード。
暗唱。
「けんかした山」はたけのこ読みから。
そして、場面ごとに要約させていく。
まず、1の場面を全員で音読する。
発問 1の場面を簡単にまとめると「だれがどうした」のですか。 |
子どもから「山が…」という声が出たので、「主人公、つまり山が~と始めるといい」という話をして、「山が~。」というように書かせた。
1の場面は、
「山がけんかした。」
「山がせいくらべをしてけんかした。」
という意見が出た。
どちらも良しとする。書いていない子には写させた。
そして、2の場面を全員で音読する。
発問 2の場面を簡単にまとめると「だれがどうした」のですか。 |
これは、色々な意見が出てきた。
「山がいうことをきかない。」
「山がお月さまにおこられた。」
「山がむかついて火をふきだした。」
「山がせいくらべをした。」
「山がおこられた。」
「山が火を出した。」
発問 この中で、「これは絶対に違う」というものは何ですか。 |
1つずつ意見を出させ、消していく。
最終的に残ったのは、
「山がいうことをきかない。」だ。
書いていなかった子に写させて終了。
第8時 3、4、5の場面の要約 9月15日(火) |
漢字スキル2番「口、川」
ことわざフラッシュカード
暗唱
聴写「お日さまをみる。」「あれは、山だ。」
「けんかした山」は、たけのこ読みから。
その後、要約の続き。
3の場面を一斉に読み、それぞれ1回立って読ませる。
発問 3の場面を簡単にまとめると「だれがどうした」のですか。 |
指名して発表。確認する。
ほとんどの子が
「山が火をふきだした。」
となる。
4の場面も同様に、「一斉に読む→1人で1回立って読む」と音読してから行う。
発問 4の場面を簡単にまとめると「だれがどうした」のですか。 |
ノートを持ってこさせ、チェック。
「山がしょんぼりかおをみあわせた。」
となる。
5の場面も同じように音読。
発問 5の場面を簡単にまとめると「だれがどうした」のですか。 |
これも、ノートを持ってこさせチェック。
「山が仲直りした。」
という意見を出した子がいた。
これは面白い。
山は仲直りしたのかどうか、次の時間に考えることにした。
「山がみどりにつつまれた。」
とする。
第9時 どうしてしょんぼりしたのか? 9月16日(水) |
「けんかした山」は一番速いスピードで1回読ませる。
前日までお休みしていた子がいたので、1の場面~5の場面までを要約した文を確認していく。
1.山がせいくらべをしてけんかした。
2.山がいうことをきかない。
3.山が火をふきだした。
4.山がしょんぼりとかおをみあわせた。
5.山がみどりにつつまれた。
発問 誰の言うことを聞かないのですか。 |
お日さまとお月さまである。
発問 どうして「しょんぼりとかおをみあわせた」のですか? |
雲が火を消したからという意見が出る。
(雲の数についても聞いた。「わっさわっさ」であるから複数だ)
発問 火を消されたら普通は怒るはずです。 どうしてしょんぼりしたのですか? |
「悪いと思った。」
「迷惑をかけたことに気付いた」
など様々な意見が出てくる。
第10時 主題の検討 9月17日(木) |
漢字スキル2番テスト。全員100点。
ことわざフラッシュカード。
聴写「火をけす。」「月よう日は、ねむい。」
「けんかした山」は主題の検討。
「今日お勉強することはレベルが高いです。5年生、6年生レベル。」
「もしかしたら、難しいかもしれない。」
「お話にかくされた秘密を探ってもらいます。」
「でも、みんなには無理かもしれないな。やめておこうか。」
などとあおってから説明を始める。
説明 お話には、書いた人が伝えたいこと、お話のテーマがあります。 難しい言葉で言うと、「主題」といいます。 |
と言い、例として
「桃太郎」(正義は勝つ)
「ワシントンの伝記」(正直に生きることが大切)
「おおきなかぶ」(みんなで力を合わせれば何でもできる)
を取り上げた。
発問 この「けんかした山」の主題、書いた人が伝えたいこと、お話のテーマは何でしょうか。 |
ノートに書かせ、できた子から持ってこさせ板書させる。
子どもたちからは、
1.けんかはだめ
2.けんかはやめな
3.けんかはいけない
4.けんかはだめだよ
5.山がけんかをしてけんかをやめた
6.うそはいけない
7.けんかした
などの意見が出た。
これらを4つに分類する。
1つ目は、「けんかはだめ」というもの。
2つ目は、「けんかをやめよう」というもの。
3つ目は、「あらすじ」を書いたもの
4つ目は、「うそはいけない」と関係のない主題になってしまったもの
である。
子どもたちに、どの主題がいいのか考えさせた。
ほとんどの子が1つ目か2つ目がいいという。
1年生には若干難しかったかもしれないが、思ったよりも主題を的確にとらえていた。
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