TOSSランド/©TWO-WAY/授業・教科/国語/1年生/インターネットランドNO,

【同時進行の向山型国語1年(教育出版)】

「お手がみ」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2010年3月 5日
更新日:2010年3月17日

  
 ○授業記録
   第1時へ 音読練習1
   第2時へ 音読練習2
   第3時へ 「登場人物」&「場所」の確認
   第4時へ 何日間のお話か&場面わけ
   第5時へ 場面ごとの要約1
   第6時へ 場面ごとの要約2
   第7時へ かたつむりくんはひどいか?
   第8時へ 中心人物の検討
   第9時へ 主題の検討
   


【授業記録】  

 第1時 音読練習1 3月3日(水) 

 漢字スキル13番を1~70番までざっと読む。
 四字熟語フラッシュカード。
 聴写2問「正しい字をかく。」「休日に森へいく。」
 
 教科書は『お手がみ』に入る。
 
 まずは、範読。
 読んでいるところを指でたどらせながら。
 途中、何度かちゃんと指でたどっているか確認を入れる。
 
 次に、追い読み。
 丸を10個書くように言うが、すでに書いている子が多数。
 
 だれてきたので、「間違い読み」をする。
 爆笑の連続。

ページの最初に戻る

 


 


 第2時 音読練習2 3月4日(木)

 漢字スキル14番の半分。読み変えの漢字。
 「読む→空書き→なぞり書き」というステップで。
 四字熟語フラッシュカード。
 聴写2問「山を下りる。」「川を上る。」
 
 『お手紙』は音読。
 間違い読み。
 教師と子どもの交代読み。
 
 その後、漢字20問テストの練習。

ページの最初に戻る





 

 第3時 「登場人物」&「場所」の確認 3月5日(金)

 まず、教師と子どもの交代読みを行う。
 
 ノートに「お手がみ」と書かせ、その横に「とうじょう人ぶつ」と書き、赤鉛筆の四角で囲ませる。
 以前学習した「登場人物」という言葉は、しっかり覚えていたようだ。
 「分析批評」の学習は積み上がりがあるのだ。 

発問 「お手がみ」の登場人物は誰ですか。すべてノートに書きなさい。

 ほとんどの子が「3人」だという。
 
  がまがえるくん(がまくん)
  かえるくん
  かたつむりくん
 
だ。
 一人だけ他にも意見を出した子がいた。
 
  みき たく
  アーノルド・ローベル
  お手がみ
  (「でんでんむし」という意見も出したが、これは「かたつむりくん」と同じだねとすぐに確認)
 
 他の子にこれらがなぜ登場人物ではないのかを説明させる。
 
 また、「がまがえるくん」と「がまくん」という2つの意見が出たので、「登場人物は3人じゃなくて4人だね。」と言ってみると、すぐにこの2つは同じだという意見が出る。

 続いて、「場所」の確認。
 ノートに「ばしょ」と書かせ、赤鉛筆の四角で囲ませる。

発問 「桃太郎」のお話は、どこの場所から始まりましたか?(川)
    (「村→鬼ヶ島→村」と確認していく)
    この「お手がみ」のお話は、どこから始まりましたか。

 (がまくんの家の)げんかんである。
 ノートに「①げんかん」と書かせる。
 その後の場所の移り変わりについても確認していく。
 
  ②かえるくんのいえ
  ③がまくんのいえ
  ④げんかん 

となる。(本当は、②の後に「かえるくんのいえのそと」が入る)

 「かえるくんの家に行って、がまくんにお手がみを書いたの」
というような発言も出てくる。
 

ページの最初に戻る






 


 第4時 何日間のお話か&事件わけ 3月8日(月)

 漢字スキル14番の残り半分。
 聴写「男子がこん虫をつかまえた。」「入学しきには、この入り口から入る。」
 暗唱「いろはうた」。千葉で行われた言語技術教育学会での向山洋一氏の授業について話す。「先生方で『いろは歌』の暗唱ができなくて、立たされた人がいたんだよ。」と。(笑)
 四字熟語フラッシュカード。
 
 「お手がみ」は音読から。隣同士での一文交代読み。立って1回、座って順序を入れ替えて1回。
 前回、「場所」の確認をしていたが、1つ入れ忘れていた。
 問答でどこなのか確認し、それを追加する。

  ①げんかん
  ②かえるくんのいえ
  ③かえるくんのいえのそと
  ④がまくんのいえ
  ⑤げんかん 

となる。

発問 この『お手がみ』というお話は、何日間のお話ですか?

 4日間という子と5日間という子に分かれる。
 そう考えた証拠を発表させる。
 どちらも、「4日たって~」という文を示す。
 最後に、図に書いて説明すると、4日間だという子も5日間ということを理解した。

発問 最初に日にちが変わったのはいつですか。

 場所を分けた①~⑤のどこかで聞いていく。
 みんな⑤と答える。
 
 「でも、ベットでがまくんがねていたんですから、日にちが変わったのはそこではないですか?」
と言ってみるが、これは昼寝だとすぐにかえってきた。

発問 どこで日にちが変わったのか、指を置きなさい。

 「ながいこと、まっていました。」の部分であることを確認する。
 教科書のその前が空いていることを教える。 

指示 場所や日にちが変わったところに番号を付けていきます。

 大きなまとまりでの段落であることを説明し、1つずつ確認していく。


ページの最初に戻る





 

 第5時 場面ごとの要約1 3月9日(火)

 聴写「やきゅうの大かいに出じょうする。」「ロケットで天の川へむかった。」
 暗唱「いろは歌」など。
 四字熟語フラッシュカード。
 
 「お手がみ」は音読から。
 1の場面を起立して1回、座って1回。

発問 今読んだ1の場面を簡単にまとめます。
    簡単にまとめると、誰がどうしたんでしょうか。

 例として桃太郎の話を出し、最初は「おばあさんが川で桃を拾った。」となり、他の場面では「桃太郎が犬、キジ、猿を仲間にした。」となるということを説明した。
 ノートに「1」と書かせ、いきなりやらせてみる。
 
 しかし、これは無謀だった。
 キーワードを最初に確定することにした。
 この場面では、「がまくん」「かえるくん」「お手がみ」である。
 この3つのキーワードを入れて、もう一度書かせた。
 
 書けた子にノートを持ってこさせ、板書させる。
 
 1.かえるくんががまくんから一ども手がみをもらったことがないことをきいた。

というようになる。
 
 同様に、2の場面を音読させ、

発問 2の場面の大事なキーワードは何ですか。

とキーワードを確定させる。
 短いので、「かえるくん」だけを示し、あとは自分で考えさせた。
 そして、まとめる。
 
 2.かえるくんがいえでがまくんに手がみをかいた。

というようになる。

 同様に3の場面を音読させ、キーワードを確定し、まとめさせたところで時間切れ。

ページの最初に戻る






 


 第6時 場面ごとの要約2 3月10日(水)

 聴写「えん足で休けいする。」「しょうらいは、パイロットになりたいです。」
 暗唱、四字熟語フラッシュカード。
 
 「お手がみ」は、前時の続きから。
 3の場面を要約したものの発表を行う。

 3.かえるくんが手がみをとどけるようにかえるくんにたのんだ。

というようになる。

 続いて4の場面。
 音読をし、キーワードを確定し、要約させる。
 できた子に板書させ発表。

 4.かえるくんががまくんに手がみをかいたことをはなした。

 5の場面は、音読をし、短いのでキーワードを確定せずに要約させる。
 できた子に板書させ発表。

 5.かえるくんとがまくんがげんかんのまえで手がみがくるのをまった。

というようになる。
 「しあわせ」という言葉を入れてまとめた子がいたので、それを取り上げ、

発問 しあわせなのはがまくんだけですか?

 二人ともであることを確認する。

発問 でもね、がまくんが幸せなのはわかります。来ないと思っていた手紙が来たのですから。
    でも、かえるくんはなにか幸せなことがありましたか?

 意見を発表させる。

ページの最初に戻る







 


 第7時 かたつむりくんはひどいか? 3月10日(水)

 この日2回目の国語。
 6の場面を起立して音読し、要約。

 6.がまくんがかえるくんからの手がみをもらってよろこんだ。

というようになる。

発問 「お手がみ」の登場人物を3人、隣の人に言いなさい。

 「田上先生ね、この中にものすごく悪い人が一人紛れ込んでいると思う。ものすごくうそつき。」
 「それはね、かたつむりくん。先生、怒っています。」
 「教科書の72Pを見てごらん。かえるくんがお願いしてまかせてくれよといって、すぐやるぜといったにもかかわらず、78Pをみてごらん。何日ですか、手紙が届いたのは。4日たってですね。4日もたってようやくとどけた。ひどいです。」
と言い、

発問 田上先生の今言った話に賛成、ひどいと思う人はノートに○、
    いや、それは違うという人はノートに×と書きなさい。

と書かせる。
 ○という子が4人、×という子が18人。
 そう考えた理由を、○派、×派それぞれ集まって説明し合うように指示。
 
 指名なし発表。
 ○だという子は、、「こんなに遅くなったんだから、途中で寄り道をしていたか、忘れていたに違いない。」という意見。
 ×だという子は、「かたつむりくんは足が遅いから」「速く走れない」「足が遅いから、4日たってが(かたつむりくんにとっては)一番早い」という意見。
 
 もう一度聞くと、みんな×になった。
 意見を発表した人、他の人に譲った人はノートに「A」と書かせる。

発問 かたつむりくんに頼むんじゃなくて、他の人に頼んだ方がよかったよね。
    だって、手紙が届くまで4日もたって2人は怒ってなかった?

 子どもから猛反発。
 証拠品を示すように言うと、「しあわせなきもちでまっていました。」「がまくんはとてもよろこびました。」というのが出る。 

発問 でもさ、かえるくんよりちょっと遅いくらいの、ありくんとか、へびくんとか、そういう人に頼んだ方が良かったんじゃない?
    もうちょっと早い人に頼んで、4時間後位に届くようにしたほうが良かったよ。
    「4時間たって」と「4日たって」、がまくんとかえるくんにとって、どちらの方が良かったと思いますか?

 ほとんどの子が「4日たって」の方がいいという。
 何人かに発表させて終了。深入りせず。

ページの最初に戻る







 


 第8時 中心人物の検討 3月11日(木)

 聴写「きっと二年生になれるはずだ。」「男女三れつで入じょうしましょう。」
 暗唱「いろはうた」など。
 四字熟語フラッシュカード。
 
 「お手がみ」は音読から。「一人→全員→一人→全員→・・・」というように読ませる。

 「主人公のことを中心人物といいます。」と言い、みんなで中心人物言わせる。  

発問 このお話の中心人物は誰ですか。

 ノートに書かせる。
 2つに分かれる予定だったが、全員が「がまくん」という意見になる。
 「みんな対先生だ。絶対勝ってやる!」と煽り、

発問 どうして「がまくん」が中心人物なのか、近くの人で相談しなさい。

と言う。
 そして、そう考えた理由をノートに書かせた。
 指名なし発表。
 「かえるくんはただお手紙をかいただけで、がまくんはお手紙を待つ人だから。」
 「一番最初にがまくんと出てきたから。」
 「教科書にはP68に書いてあって、かえるくんは後からやってきたから。」
 「題名はお手紙で、お手紙が欲しいのはがまくんだから。」
 「がまくんの方がかえるくんより、出ている回数が多い。(がまくんと言う言葉は21回、かえるくんという言葉は19回)
 「がまくんが手紙を貰いたい気持ちだ。」
 
 攻守入れ替わって、私から意見を出す。 

発問 出てくる言葉は「がまくん」の方が多いですが、場面に分けた時、全部の場面に出てきたのは誰ですか?

 かえるくんである。
 「やっぱりかえるくんだよね!」と煽る。

発問 「お手紙」をあげたのは誰ですか?

 かえるくんである。
 「お手紙をあげたっていう話なんだから、やっぱりかえるくんが中心人物だ!」と更にあおる。

発問 かえるくんがいなかったら、がまくんの不幸せな気持ちは変わりましたか?

 変わらない。
 「かえるくんが出てこなかったら、がまくんが手紙を貰えない、ああがっかりというという不幸せな話になるでしょ。」
 「かえるくんがお手紙をあげたから、がまくんが幸せな気持ちに変わったんだ。」
と更にあおる。
 
 もう一度聞くと、がまくんだという子が16名、かえるくんだという子が6名となった。
 どっちなのか、「学校の先生方で話し合いをした時、どちらも同じくらいの人数で、どっちも考えられるねという話になった」と説明する。
 
ページの最初に戻る







 


 第9時 主題の検討 3月12日(金)

 聴写「雨で川の水があふれてしまった。」「虫が草をたべた。」
 暗唱「風の又三郎」など。
 四字熟語フラッシュカード。
 
 「お手がみ」は、たけのこ読みから。
 
 「今日は、みなさんに探偵のようになってもらいます。」
 「まえに、『けんかした山』の時にもやりましたが、こういうお話には、隠されたテーマがある。」
 「桃太郎でいえば、正義は勝つとかいう隠されたテーマがあります。」
 「けんかした山はどうでしたか?」

 それを「主題」と言うことを説明し、みんなに「主題」と言わせる。

発問 この「お手がみ」の主題は何ですか。ノートに書きなさい。

 途中で「手紙という言葉を使わない。」「がまくん、かえるくん、かたつむりくんという言葉も使えません。」と説明する。
 書けた子にノートを持ってこさせ、板書させる。

 最初は、「待っているといいことがある。」という意見がほとんどだった。

発問 このお話は「待てばいい」という話だけですか?
    もちろん、それもいいのですが、それなら、このお話に出てくるのはがまくんだけでいいですよね。
    誰が誰にどんなことをしてあげたのかということを考えると、もう一つの隠されたテーマがわかってくると思います。

 もう一度、主題を書かせる。
 今度は、「ともだちは大切だ」「友達を大切にした方がいいよ。」という意見が出てくる。
 
 ここで、「もらったらうれしい」というように書いた一人の意見を取り上げ、

発問 「もらったらうれしい」のですが、この続きを考えてみて。
    「もらったらうれしいから~」というように。

 「もらったらうれしいから、おかえしをしよう。」
 「もらったらうれしいから、じぶんにもほしい。」
 「もらったらうれしいから、わたそう。」
 「もらったらうれしいから、ともだちに何かしてあげよう。」
というような意見が出る。

 前日の中心人物の検討で、「がまくん」という意見が多かったので、がまくん視点で主題を考えた子が多かった。

 「かえるくんから見て考えるとまた違った主題が出てきます。」と言い、 

発問 「友達のために~」。
    あとにどう続きますか。

 「友達のために何かしよう。」となる。

発問 「~本当の友達だ。」ならどうなりますか。何をすれば本当の友達なのか。

 近くの人と相談させる。
 「やさしくするのが本当の友達だ。」
 「何かしようとする気持ちがあれば本当の友達だ。」
 「友達が困っている時に助けてあげるのが本当の友達だ。」
というような意見が出る。

ページの最初に戻る


’09 同時進行の向山型国語1年(教育出版)TOPページへ

’07 同時進行の向山型国語6年(教育出版)TOPページへ

’06 同時進行の向山型国語5年(教育出版)TOPページへ

’05 同時進行の向山型国語4年(教育出版)TOPページへ

田上大輔の個人ホームページTOPへ

Copyrightsc2000 TOSS(Teacher's Organization of Skill Sharing)All rights reserved
 TOSS(商標登録:第4324345号)、TOSSランド(商標登録:第5027143号)
 このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません。
 リンクについてもお問い合せください。
inserted by FC2 system