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【同時進行の向山型国語2年(教育出版)】
「すみれとあり」
TOSSシグナス/札幌向山型国語研究会 田上大輔
作成日:2010年6月 3日
更新日:2010年6月30日
○授業記録 第1時へ 範読&追い読み 第2時へ 形式段落に番号を付ける&音読 第3時へ 問いの段落 第4時へ 答えの段落&答えの文1 第5時へ 答えの段落&答えの文2 第6時へ 答えの文をリライトする 第7時へ 問いに対する答えがどうしてわかったのか 第8時へ 視点 第9時へ 一字読解 第10時へ てびき |
【授業記録】
第1時 範読&追い読み 6月3日(木) |
漢字スキル11番左ページ。
暗唱「月の異名」「竹取物語」など。
五色百人一首フラッシュカード。
聴写「図書室で絵本を読む。」「友人と会う。」
教科書は「すみれとあり」に入る。
まずは、範読。
指でたどりながら聴かせる。
時折ストップして、ついてきているかどうか確認する。
また、まだ習っていない漢字も出てくるので、必要な子には振り仮名を書かせる。
その後、追い読み。
1~2ページの範囲を読み、立って1回自分で読ませる。
何も言わなくても、題名の横に丸を10個書いた子がいるのでほめる。
五色百人一首2試合。
日記の課題。テーマは「隣の席の友達」
第2時 形式段落に番号を付ける&音読 6月4日(金) |
漢字スキル11番テスト。
暗唱「竹取物語」「月の異名」
五色百人一首フラッシュカード。
聴写「先生の話をよく聞こう。」「朝から大声で本を読む。」
「すみれとあり」は、形式段落に番号を付けた。
最初の1段落に番号をつけ、見開き2ページ分(2~5)に番号をつけさせる。
1年生の時にもやっていたので、すぐできた。
確認し、残りのページもすべてつけさせる。
その後音読練習。
追い読みを1回、隣同士の交代読みを1回。
最後に、五色百人一首。
第3時 問いの段落 6月7日(月) |
漢字スキル12番「南」「北」
暗唱「竹取物語」「月の異名」
五色百人一首フラッシュカード。
聴写「外国へ行く。」「日本語を話す。」
「すみれとあり」は、音読から。
今日は、「間違え読み」を1回。
「普通、説明文には?の文章があります。」
と言い、1年生の時に勉強した「なにがかくれているのでしょう」のことを話す。
そして、「どうして~のでしょうか。」という例をいくつか出す。
説明 こういう?のことを「問い」と言います。 |
ノートに「問い」と書かせる。
発問 この「すみれとあり」のお話の中から、問いが書かれてある段落をさがします。 |
ノートに書かせる。
2段落という子が2名、3段落という子が多数、11段落という子が1名。
決まっていない子には、この3つからどれかを選ばせる。
そして、意見の出た3つの段落を全員で読んでいく。
まず、11段落から扱う。
発問 11段落のどの部分が問いだというのですか。 |
誰も答えられないので、この意見を消す。
続いて2段落も同じように聞く。
子どもから、「3段落も問いだけど、3段落の『こんなばしょ』というのは2段落にあるコンクリートのわれめや高い石がきのことかだから。」という意見が出される。
「かなり頭のいい意見です。」とほめ、その子の言ったことを再度確認する。
3段落も同じように聞く。
発問 ?だと分かる言葉はどれですか。どうしてですか、こんなですか、ばしょにですか、さいてですか、いるのでしょうですか。 |
「どうして」と「いるのでしょう」である。
発問 この「いるのでしょう」の後に、ひらがな1文字が隠されています。何ですか。 |
「か」である。
2段落の発表を「5年生くらいのレベルだ」とほめ、問いの段落は3段落であることを確認する。
段落と文が一緒なので、「問いの段落の中にある、問いが書かれている文のことを問いの文と言います。」と確認し、ノートに写させる。
そして、「どうして、2年1組の子は、こんなに頭がいいのでしょうか。」という問いがあったら、「一生懸命勉強しているからです。」という答えがあることをいくつか例示し、
発問 「答え」が書かれている段落は、何段落ですか。 |
と聞く。ノートに書かせる。
探したところで終了。
第4時 答えの段落&答えの文1 6月8日(火) |
漢字スキル12番「昼」「夜」「万」
暗唱、五色百人一首フラッシュカード
「すみれとあり」は、音読から。「間違い読み」
前日の続きを行う。
まず、「問いの文」が何だったかを確認する。
続いて、答えの段落の確認。
全員起立させ、書いている子を座らせる。書いていない子は、書いたら座らせる。
どの段落を答えの段落としたのか挙手で確認する。
10段落という子が9名、11段落という子が13人。(両方だという子も含める)
10段落から確認していく。
まず、一斉に10段落を読ませる。
発問 10段落の3つの文の中で、どれが答えの文になっているのですか。 |
1つ目の「すみれは、~」という子が7名、2つ目の「しかし、~」という子が1名、3つ目の「そこで、~」という子が6名。
指示 先生が問いを読みますから、みんなはこれを1つずつ読んでいってください。」 |
と言い、「問い」→「1文目」、「問い」→「2文目」、「問い」→「3文目」とよませる。
問いの文の「このような場所」よはどこなのかを確認し、
発問 コンクリートのわれめや高い石がきの上からすみれが咲くのはなぜですか。 仲間を増やすために、いろいろな場所から芽を出そうとするからですか。 自分では種を近くの地面にしかとばすことができないからですか。 ありの好きな固まりを種につけていろいろな場所に運んでもらうからですか。 |
こう聞くと、全員が3文目になる。
ノートに写させる。
11段落のことは次に行うことを告げ終了。
第5時 答えの文2 6月10日(木) |
漢字スキル12番左ページ。
暗唱、五色百人一首フラッシュカード。
聴写「兄弟で南のしまへ行く。」「姉と北国をりょ行する。」
「すみれとあり」は音読、たけのこ読みから。
問いの文を全員に読ませる。
10段落の答えの文も全員に読ませる。
発問 11段落の答えの文はどれですか。 |
前と同じように、教師が「問い」を言い、子どもに2つある文を順に読ませて確認する。
A 「ありのすは、~」
B 「そのため~」
C どちらも違う
D 両方答えの文
4つのどれかから選ばせる。近くの子と相談させた。
1文ずつ確認していく。
発問 ありの巣がコンクリートの割れ目や高い石垣の上にあれば、自動的にすみれの花はそこで咲くんですか? 何かが足りない。足りないものは何ですか。 |
指名して聞く。「ありが運ぶ」という部分が足りない。
間違っているのではなく、「足りない」とおさえる。
続いて、2文目の検討。
説明 これは足りていますか?つまり、ここでは2つのことが書いていないと答えにならないのです。 「ありの巣がコンクリートの割れ目や高い石垣の上にあるということ」 「ありが運ぶということ」 の2つです。 |
と説明する。
発問 2文目には「ありが運ぶ」ということは書いていますか? |
探させる。書いてある。書いてある部分を指でささせ、隣と確認させる。
発問 では、ありの巣がコンクリートの割れ目や高い石垣の上にあるということは書いていますか、いませんか? |
同じように探させる。
書いていなかったという子が全員。
発問 これは、書いてあるんです。書いていないけど、書いてある。 近くの人と相談して探しなさい。 |
「このような場所」という意見が出る。
「もう一つある」と言い、さらに探させる。
「そのため」という意見が出る。
これは、1文目のことを指しているといことを確認する。
2文目が答えの文なのだ。
ノートに写させて終了。
第6時 答えの文をリライトする 6月15日(火) |
漢字スキル13番「春」「高」
暗唱「月の異名」「吾輩は猫である」
ことわざフラッシュカード。
聴写「夜に友だちと会った。」「一万円をもらった。」
「すみれとあり」は、音読から。1人ずつ一文交代読み。
続いて、「答えの文のリライト」を行う。
10段落と11段落の答えの文を読ませる。
「どうして赤組が優勝したのでしょうか。」「後半、がんばりました。」ではおかしいなど、いくつかの例示をし、問いに対して「~からです。」というように答えなければならないということを確認する。
「これは難しいです。」と言い、自分達で答えを正しく書きなおすお勉強をするということを子どもたちに話す。
ただ、いきなりやらせては本当に難しいので、フォーマットを与えて考えさせた
□が□を□に□からです。 |
指示 10段落と11段落の答えの文を見ながら、答えの文を正しく書き直しなさい。 |
ノートに「こたえの文をなおす」と書かせ、リライトさせる。
書けた子から持ってこさせた。
多くの子が
「ありがたねを(コンクリートのわれめや高い石がきの上にある)すにはこぶからです。」
というように書く。
一部、
「ありがたねをすのそとにすてるからです。」
と書いた子もいた。
これも間違いではないだろう。(ただ、10段落と11段落の内容からは外れる)
発表させ、確認。
書けなかった子には写させる。
第7時 問いに対する答えがどうして分かったのか 6月16日(水) |
漢字スキル13番「食」「明」「遠」
暗唱、ことわざフラッシュカード。
聴写「春休みに東京へ行く。」「高い空から地きゅうを見る。」
「すみれとあり」。
問いの文とリライトした答えの文をそれぞれ読ませる。
問いの文を黒板の右端に、答えの文を黒板の左端に板書する。
発問 こういう問いがあり、答えがわかりました。書いた人はどうやってこの答えがわかったのですか。 |
近くの人と相談して考えさせる。
「ありが地面に落ちているすみれの種を見つけたところをやざまよしこさんが発見してわかった。」
という発表が出る。
発問 今の発表で大事なキーワードがありました。4文字です。何か分かりましたか。 |
「発見」である。
それがわかった子を「お友達の発表を聞く名人だな!」とほめる。
「田上先生はちょっと違うんです。」
「発見と言ったら偶然というようになることもあります。」
「田上先生が考えたキーワードは同じ4文字です。なんだと思いますか。」
と言い、尋ねる。
「観察」である。(発見をして観察したのだ)
ノートに「かんさつ」と書かせる。
発問 筆者は何と何を観察しましたか。観察したものを大雑把に2つ書きます。 |
「すみれ(のたね)」と「あり」である。(題名と同じだ)
発問 すみれとありのどちらを先に観察し始めましたか。 |
すみれである。
発問 どうしてありはわざわざすみれの種を巣に運ぶのですか。 |
ありの好物が種についているからという意見が出る。
そして、黒板にありの巣の絵を描き、
発問 すみれの種を巣の中にためておいたら、芽が出ないのではないですか。 |
すみれの種はためておくのではなく、好物の白い固まりをとって種は巣の外に出しているからである。
教科書の挿絵を見て白いかたまりを丸で囲ませる。
そして、
問い→観察→答え |
という、説明文の基本構造を確認する。
おまけで、「こんなことをして得しているのは誰ですか」「種が近くに落ちるだけではだめなのですか」と聞いてみる。
最後に、ある子が授業の最初の方につぶやいた言葉を取り上げ、
問い→実験→答え |
という組み立てになっている説明文もあるということを説明する。(いくつか例示する)
第8時 視点 6月16日(水) |
五色百人一首。
漢字スキル13番「合」「鳥」。
「すみれとあり」は「視点」を扱う。
教科書P44の
「たねは、つぎつぎとちかくの地めんにおちていきます。」
をノートに写させる。
「国語のお勉強ですが、みなさんに絵を描いてもらいます。描くのは、地面と種ともう一つ。」
と言い
発問 「たねは、つぎつぎとちかくの地めんにおちていきます。」と言っている人は、 どこからどう見ているのか、目玉を1個書きます。 地面、種、目玉をノートに描きなさい。 |
描き方を例示し、できた子にノートを持ってこさせる。
子どもの意見を
A 目玉が種よりも上にある
B 目玉が種の横にある
C 目玉は種よりも下にある
D 目玉は地中にある
と4つに分類し、自分の意見はどれに当てはまるか考えさせる。
Aが12人、Bが7人、Cが1人、Dが2人。
発問 4つの中で、「これだけは違う」というのを1つ決めます。班で相談しなさい。 |
個人で発表させる。
まずは、Dが違うという意見から。
「土の中にいたら見えない。」というようなことで違う。
残るは3つ。また班で相談させる。
Cが違うという意見を発表させる。
なかなか言葉を根拠にした意見が出ない。
Bが違うという意見も発表させるが、同様に言葉を根拠にした意見が出ない。
「証拠は、みなさんがノートに写した文の中にあります。この言葉を見ればABCのどれなのかが分かるという言葉があるのです。」
と言い、探させる。
近くの子と相談させる。
発表させるが、やはり難しいようだ。
そこで、証拠となるのは「おちていきます」の部分であることを示し、「この部分を変えてみます。」と言い、
おちていきます
おちています
おちてきます
と3種類作る。
どれが、A,B,Cのどの意見に当てはまるのかを考えさせることにした。
まず、わかりやすい「おちてきます」を考えさせる。
どの子もCの「目玉は種の下にある」という意見になるという。
他にも例示をしながら、Bは「おちています」、Cは「おちていきます」になることを確認した。
「国語のお勉強は、たったひと文字で意味が全然違ってきます。だからひと文字にも注目してお勉強することが大切なんですね。」
ト話して終了。
第9時 一字読解 6月17日(木) |
漢字スキル13番左ページ。
暗唱、ことわざフラッシュカード。
聴写「遠足でべんとうを食べる。」「明るい色のふくがに合う。」
「すみれとあり」は一字読解。
1.「すみれとあり」を書いた人は誰ですか。 2.道端にすみれの花が咲く季節はいつですか。 3.すみれは、花を咲かせた後、何をつけますか。 4.実の中には何ができていますか。 5.この実は裂けて開きます。いくつに裂けますか。 6.実が三つに裂けて開く日の天気は何ですか。 7.今の5番と6番の問題は、教科書の何ページを見れば分かりますか。 8.飛び出した実が落ちるところはどこですか。3文字で書きます。 9.この種を自分の巣へ運ぶ生き物は何ですか。 10.巣の中に種を運んだありは、種のどの部分を食べますか。 11.すみれがいろいろな場所に芽を出そうとするのは何のためですか。 |
正解数を数えさせ、終了。
最後に、日記のテーマを出す。
第10時 てびき 6月18日(金) |
漢字スキル13番テスト。
暗唱、ことわざフラッシュカード。
「すみれとあり」は、「てびき」の授業。
「線の言葉がないと文の意味はどう変わるか」という問題。
「すみれは、コンクリートのわれめや、高い石がきのすき間にもさいています。」
「すみれは、コンクリートのわれめや、高い石がきのすき間にもさいています。」
というように、線を引いた言葉があるのとないのとを読ませ、班で相談し、意味の違いを発表させる。
イラストを用いで解説する。
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