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【同時進行の向山型国語2年(教育出版)】

「きつねのおきゃくさま」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2010年11月10日
更新日:2010年11月16日

  
 ○授業記録
   第1~3時へ 音読&語句の確認
   第4~5時へ 設定の確認
   第 6時へ   「 」は誰の言ったことか
   第 7時へ   「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(1)
   第 8時へ   「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(2)
   第 9時へ   「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(3)
   第10時へ   前半と後半できつねはどう変わったのか?
   第11時へ   きつねが変わったのはどこか
   第12時へ   主題の検討
   


【授業記録】  

 第1~3時 音読&語句の確認  9月8日(水)、9日(木)、13日(月) 

 8日。
 漢字スキル1番左ページ。
 暗唱「平家物語」など。
 聴写「広い海でおよいだ。」「自分でアイスクリームをかってきた。」

 「きつねのおきゃくさま」に入る。

 まずは範読。読んでいるところを指でたどらせ、時折チェックする。

 続いて1ぺージぐらいを追い読みし、その部分を一人読みさせる。
 残った時間で、語句の確認。
 ページごとに分からない言葉を言わせる。

 時折、

発問 身震いするということはどういうことですか。やってごらんなさい。

とやらせたりする。

 9日。
 漢字スキル1番テスト。
 暗唱
 
 「きつねのおきゃくさま」は隣同士の交代読みから。
 立って1回、座って1回。

 その後、語句の確認。

 13日。
 漢字スキル2番右ページ。
 暗唱
 
 「きつねのおきゃくさま」は、間違い読みから。
 私がわざと間違えて読んで、子どもは正しく直して読むというもの。

 その後、語句の確認。

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 第4~5時 設定の確認 9月14日(火)

 漢字スキル2番右ページ。
 暗唱
 聴写「教室の後ろに立たされた。」「話を聞くために頭を上げた。」

 「きつねのおきゃくさま」は音読から。
 一文ずつ「1人→全員→1人→全員→・・・」と読んでいく。

 そして、設定の確認。

発問 登場人物は誰ですか。全て書き出します。

 きつね、ひよこ、あひる、うさぎ、おおかみ

発問 「てんとうむし」って出てきたよね?てんとうむしは登場人物ではないですか?

と聞いてみる。(教科書の挿絵に出ている)
 「これはしゃべっていない。」「絵だから。」「字には出ていない。」など、すぐに反論される。 

発問 中心人物は誰ですか。

 全員が「きつね」と答える。

 「おおかみじゃないの?」「おおかみが一番強いんじゃない?」などと聞くが、子どもは「そういう問題じゃない!」という。 

発問 どうしてきつねが中心人物なのですか。

 理由を近くの人と相談させる。
 「題名にきつねのおきゃくさまと書いてある。」「最初に出てきたのはきつねだ。」「字がほとんどきつねの文だ。」「どの場面でもきつねが出てくる」
 子どもから、出てくる順番についての意見が出たので、登場人物を書いたノートのところに、出てくる順番で番号をつけさせる。

 時間になったので、5時間目の国語でちょっとだけ続きを行う。

発問 このお話の場所はどこですか。

 林、森(にじの森)、家(山の家)という意見が出る。

発問 いつのお話ですか。

 それが書いてある教科書のページを開かせる。

発問 最初にきつねががひよこと会って、きつねが死ぬまでどのくらいの間ですか。

 「~日」「~ヶ月」の3種類の意見が出る。
 そう考えた根拠を教科書から探させる。
 
 「~ヶ月」・・・さんぽのときに「春の歌」「夏の歌」というのが出ているから。
 「~日」・・・「その晩」と書いてあるから。「ある日」と書いてあるから。

発問 決定的な証拠があります。どちらかの意見だとおかしいという証拠です。

 4分時間をあげ、それまでに見つけられなかったら先生が言いますと宣言して考えさせる。
 残り10秒のところで、発見した子が現れた。
 「何日かで太るのはおかしい。」
 やせた動物が何日かでまるまるふとってしまったはおかしいので、はっきりとは言えないが何か月かのお話だろうと予想されると話して終了。

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 第6時 「 」は誰の言った言葉か? 9月16日(木)

 漢字スキル2番テスト。
 
 「きつねのおきゃくさま」は、音読から。
 たけのこ読み1回。

発問 「 」は誰の言った言葉ですか。

 きつねには「き」、あひるには「あ」というように、「 」の上に書き込ませる。
 
 最初に意見が分かれたのは、
「あるわよ。きつねお兄ちゃんちよ。あたしたちといっしょに行きましょ。」
のところ。
 子どもたちは、「ひよことあひるのセリフだ」という。1人だけ「ひよこ」という子が。
 「あたしたち」と書いてあるから2人のセリフだと考えたようだ。
 
 口調に注目させ、「ひよこ」ということを確認する。
 
 正解だった一人の子がヒーローに!
 
 途中で終了。

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 第7時 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(1) 9月17日(金)

 この日は、喉をやられて、声が全く出なくなった日だった。
 よって、発問や指示はすべて板書して授業した。

 漢字スキル3番右ページ。
 暗唱。
 聴写「上下左右をよく見た。」「す早く計算をする。」
 
 「きつねのおきゃくさま」は音読から。
 たけのこよみ(回数制限5回以内)
 
 「 」は誰が言っているかの続き。
 
 子どもの意見が割れたのは

「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」

のところ。
 ほとんどの子が「おおかみ」が言ったことだという。
 おおかみ派が18人、きつね派が4人からスタート。

 ノートにそう考えた理由を書かせる。
 黒板にネームプレートを貼らせ、

指示 自分と同じ考えの人4人と意見を交換したら座りなさい。

と指示する。
 必要があれば、付け足して意見を書き込ませる。

指示 自分と違う意見の人のところに行って、自分と同じ意見になるように説得しなさい。

と指示。
 この自由討論を終えたところで終了。  

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 第8時 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(2) 9月21日(火)

 漢字スキル3番「楽」「角」

 「きつねのおきゃくさま」は、前回の続き。
 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか。
 子どもたちに討論させる。
 
 意見の言い方、反論の仕方などを一つ一つ指導する。
 
 おおかみが言ったなら「 」を分ける必要がない。
 きつねは守るためにとびだした。
 自分のことを「きつねがいるぞ」というのはおかしい。

等の意見が出るが、前の時間から間が空いていたこともあり、いまいち盛り上がらず。
 
 教師が積極的に関わり、時にはあおったりもしながら進めていく方がいいように感じた。

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 第9時 「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」は誰が言ったのか(3) 9月22日(水)

 まだ多数派は「おおかみ」だった。
 そこで、「おおかみ派」をゆさぶる展開にする。

 前の時間に出た意見から、

発問 きつねがとび出したのは、横取りされたくないからですか。それとも守るためですか。

と聞く
 このように聞くと、「守るため」と答える子が多くなる。

発問 きつねは、おおかみに気付かれていなかったけど、ひよこたちを守るためにとび出したのですか。
    それとも、おおかみに気付かれてしまったので、仕方なくとび出したのですか。

 このように聞いても、「守るため」と答える子が多くなる。

 そして、「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ。」をおおかみが言ったという子に聞く。

発問 じゃあ、「いや~」を言ったのはおおかみじゃなくて、きつねなんじゃないですか?

 更に、

発問 最初は気付かれていなかったのに、どうして逃げなかったのですか?

と聞く。
 そして、

発問 きつねは、おおかみとたたかっている時、まだ食べようと思っていたのですか。
    それとも、「守りたい」という気持ちに変わっていっていたのですか。

と聞く。
 子どもたちからもいろいろな意見が出てくる。

発問 普通は、「きつねVSおおかみ」だったらどちらが勝つのですか。

と聞くと「おおかみ」だという。
 出て行ったら負けるのに、なぜわざわざ危険を冒してとび出すのか。
 きつねはあきらめて、別の獲物を狙えばいい。
 それか、おおかみが襲っている間に、襲われていないものを食べればいい。

発問 このお話というのは、3匹の生き物を食べようと思っていたきつねが、まぬけにもおおかみに横取りされてしまったというお話なのですね。
    そして、3匹の生き物は、自分が食べられることも知らずに、最後お墓まで作ったというバカなお話なのですね。
    騙され続けたかわいそうな3匹の生き物と、獲物を横取りされた間抜けなきつねの話なのですね。

こう聞くと、爆笑になる。

 もう一度、どちらか聞くと、きつね派が21名、おおかみ派が2名と逆転した。

 最後に意見のある子に発表させる。

 「ゆう気がりんりんとわいた。」という言葉に着目した意見も出る。

 自分の考えのまとめをノートに書かせ終了。

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 第10時 前半と後半できつねはどう変わったのか 9月24日(金)

 漢字スキル3番テスト
 暗唱
 
 「きつねのおきゃくさま」は、たけのこ読みから。
 
 物語は最初の最後で登場人物の中の誰かの気持ちや行動ががらっと変わるということを話して

発問 この「きつねのおきゃくさま」のお話で、
    最初と最後で気持ちや考えががらっと変わったのは誰ですか。

と聞く。
 全員が「きつね」と答える。
 
 ノートに「きつね」と書かせ、

発問 最初のきつねはどんなきつねでしたか。

 「さいしょ→」と書かせる。いくつか例示する。
 わるい、はらぺこ、食べる気持ち、などが出る。 

発問 最後のきつねはどんなきつねでしたか。

 「さいご→」と書かせる。
 死んだ、守る気持ち、たたかった、ゆうかん、やさしい、かみさまみたい、親切などが出る。  

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 第11時 きつねが変わったのはどこか 9月27日(月)

 漢字スキル4番右ページ
 暗唱「平家物語」など
 聴写「お楽しみ会の計画を立てた。」「算数の教科書を読む。」

 「きつねのおきゃくさま」は、前の時間の確認から。
 最初はどんなきつねで、最後はどんなきつねになったか。
 (黒板の右端に「さいしょのきつね」と書き、左端に「さいごのきつね」と書いて、線で結ぶ)

発問 きつねが変わったのはどこですか。

 ノートに書かせる。
 P76「かみさまみたいに~」とP77「いや、まだいるぞ。~」に分かれた。
 発表させ、理由を言わせる。
 
 どちらも、気持が変わっていることを確認し、

発問 他のページにもきつねが変わったとわかる言葉はありませんか。

と聞く。
 1ページずつ確認していくと、

  P72
   少しぼうっとなった
  P73
   ぼうっと~
  P74
   うっとり~
   ぼうっと~
   いそいで~
   親切な~
  P76
   かみさまみたいに
   ぼうっと
  P77
   「いや、まだいるぞ。~」
   ゆう気がりんりん~
   おお、たたかったとも~
 
と11通りの意見が出る。(黒板に書きいれていく)
 逆に、悪いきつねだとわかる言葉についても確認する。

発問 一番がらっと変わったのは、どこですか。

と聞くと、やはりP76とP77に分かれる。
 結論は出さず。
  

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 第12時 主題の検討 9月28日(火)

 漢字スキル4番右ページ
 暗唱「平家物語」
 聴写「パンを売る。」「バットとボールを買う。」 

 「きつねのおきゃくさま」は主題の検討。

 念のため、例を出しながら主題について説明する。

発問 「きつねのおきゃくさま」の主題は何ですか。

 ノートに書かせ、板書する。

  いろいろな人にやさしくしよう。
  いきものを食べようとしたらいけない。
  いじわるしない。
  食べようと思っていてもてきがきたら悪い気もちをわすれるんだよ。
  いのちを大切に。
  いのちはだいじにしよう。
  ゆうきをもとう。
  食べようなんて思わないでやさしくしよう。
  みんな仲よくしなきゃだめ
  親切にする。

というような意見が出る。
 
 キーワードを取り上げ、分類し、 

発問 「仲良く」「親切・やさしい」「いのちを大切に」「ゆうき」の4つのキーワードの中で、どのキーワードがいいと思いますか。

 「ゆうき」が多い。 
 教科書の叙述と結びつける。

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