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【同時進行の向山型国語4年(教育出版)】 2005年5月2日(月)

とかげは登場人物かどうか?

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔

 
  1.  今日も漢字スキルはお休み。
     2回目のテストから3問出題し,ノートに書かせた。
     1問100点で丸をつけさせた。3分の2の子がが300点。300点の子には「花丸+鯉のぼり」を書かせ,間違えた子には直させた。
       
  2.  丸を塗った数を聞くと,10個を超えたという子が何人もいた。誉める。
     音読はクラス全体で一文交替読み。
     途切れずに読める。昨年は1年生を担任していたので,自分の番が来ても気づかないという子が何人かいたが,さすがは4年生。
     特に,女子の読み方が上手だった。
      
  3.  次に,宿題にしていた登場人物を聞いていった。
     子どもから出てきたのは「ぼく」「のぶちゃん」「とかげ」「母さん」の4つ。(「お母さんって書いちゃった~」と言う子がいたので「教科書の言葉で書きます」と直させた。)
     
  4.  「とかげがおかしい」という子がいなかったので,
    「この中で登場人物ではないのが1つあります。」
    といい,どれだと思うか挙手させた。
     
  5.  順番に,台詞があるかどうか検討していった。
     まず「ぼく」であるが,これは台詞がたくさんあるうえに,「地の文」も「ぼく」の視点で書かれている。「話者=ぼく」であることを教え,ノートの「ぼく」と書いてある下に「→話者」と書かせた。
     次に「のぶちゃん」の台詞もすぐに見つかった。
     
  6.  とかげの台詞であるが,子どもからは
    「やい,自転車をなくしていい気味だぞ。」とかげの横目はそう言っていた。

    「見ろよ!」というように,横目でぼくを見ている
    の部分。
     
  7. 「これは,とかげが本当に言ったことですか,そうではないのですか?」
    と尋ねた。
     1分ほど班で相談させ,挙手で確認。
     本当に言ったこと派は6名。
     そうではない派は22名。
     
  8.  本当に言ったこと派から指名なしで発表。
    「物語だからこんなことがありえるかもしれない」
    「カギカッコになっているから」
    というような意見が出された。
     
  9.  そうではない派からは,
    「とかげの横目をぼくが見てそう言っているように見えたということ」
    「横目でそう感じただけ」
    「横目がそういっていたかもしれないけど,本当に言っていたかはわからない」
    「とかげは横目で見ていて,ぼくが勝手にそう思っただけ」
    というような意見が出された。
     
  10.  そうではない派に「見ろよ!」の方で意見はないか聞くと,
    「見ているとは書いているけど言っているとは書いていない。しかも,普通のカギカッコだったら行を変えて書いているのに,ここでは変えていない。」
    という意見も出てきた。
     そこで,
    「作文には決まりがあって,実際にお話していることは行を変えて書くという約束があるんですね。途中に入っているのは,思ったことですね。行を変えないで。」
     と説明した。
     しかし,すぐに反論が。
    「でも,最初の方(「やい,自転車を~)は行を変えている!」
     
  11.  挑発しても意見が出尽くしたころ,もう一度30秒ほど相談させて,再度,どちらの意見か聞いた。
     本当に言ったこと派が10人に増加。
     
  12.  最後に私から説明。
    「畑田君を見てください。【畑田の目は『ぼくを当てないでくれ』と言っている。】畑田君は本当に『当てないでくれ』と言ったのですか?」
    「言っていない」という反応。
    「【黒田君の目が『机,楽しいな~』と言っている。】黒田君は今,『机楽しいな~』っていっていましたか?」
    「次に26ページの3行目ですが,【『見ろよ!』というように】と【『見ろよ』と】では同じですか,違いますか?」

    「違う」と言う子ども達。
    「『というように』というのは本当のことではなくて,感じたことですね。」
    「このお話は,全部,ぼくから見た目線で書かれているんですね。ですから,ぼくの気持ち,ぼくの考え,というのが入っているわけです。お母さんがこういった,のぶちゃんがこういった,昔のことを思い出した,全部ぼくがやっていることなんです。ですからどちらが正しいかというと,とかげは登場人物ではないんですね。」

     
  13. 「登場人物の中には,国語の言葉で言うと『中心人物』がいます。主役のことです。このお話の中心人物は誰ですか。」
     ぼくと答える。
    「このお話では簡単に見つかりますが,難しい時もあります。そういう時は,『たくさん出てくる人』『物語の中の出来事,どれにも関係している』『物語の中で気持ちや行動ががらっとかわわったりする。それが中心人物です」
     
  14. 「次に,この物語が展開している場所です。どこですか?ノートに書きなさい」
     と,書かせて意見を聞いているところで時間切れ。
         

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