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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】
「うぐいす」 「水平線」 (詩)
TOSSシグナス/札幌向山型国語研究会 田上大輔
作成日:2006年4月10日
更新日:2006年4月13日
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【事前の全体計画】(2時間)
◎「うぐいす」
- 音読を1回させる。
- ○10個システムを教える。
- やめというまで何度も音読させる。
- 一人一人読ませ,個別評定する。
- もう一度読ませる。
- 全体で読ませる。
- 視写をさせる。(早く終わった子は音読)
- 一字読解をする。
1)題名は何ですか。
2)作者は誰ですか。
3)何連からできている詩ですか。
4)音やリズムで気づくことを1つ書きなさい。
5)季節はいつですか。
6)「すきとおる」のは何ですか。
7)「すきとおる」とはうぐいすのどんな声のことをいっているのですか。
8)はるのつめたさをにおわせるのは何ですか。
9)「うちゅうが一しゅん しん,とする」というのはどんな様子を表しているのですか。
10)話者からうぐいすは見えていますか,見えていませんか。
- 最後に読ませる。
◎「水平線」
- ○10個システムについての確認。
- 追い読み
- 教師と子どもの一文交替読み。
- 子ども同士の一文交替読み。
- 一人読み。
- 視写をさせる。終わった子は音読練習。
- 一斉読み。
- 水平線を辞書で引かせる。
- 「いくつの連でできていますか。」
- 「何度もくり返し出ている言葉は何ですか。」(リフレインを教える)
- 「2連目に『空とはちがうぞ』とあります。『空とはちがう』ではどうちがいますか。」
- 「1連目は,何とちがうということをいっているのですか。」
- 「話者が見ている水平線の大きさは,どの連も同じですか,違いますか。」
- 「話者が見ている水平線の大きさは,どの連が一番大きいのですか。」
- 「海や空と水平線とではどちらが強いのですか。」
- 主題を書く。
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【授業記録】
第 1時 4月10日(月) 「うぐいす」その1
- 今年は半分持ち上がりのクラスを担任することになった。
新しいページを開かせ折り目をつけさせる。
「うぐいす」という詩。
「自分なりの読み方で1回読みなさい。」
と指示し,読ませた。(ほとんど平仮名だけの詩なので範読はしない)
- ○10個のシステムについて,違うクラスだった子に簡単に説明する。
「題名の横に,自分の鼻の穴くらいの○を10個書きなさい。」(黒板にも書く)
「1回読んだら丸を1つ赤鉛筆で塗ります。」(塗らせる)
「詩や説明文,物語などの音読ではこのように練習していきます。読んだ回数が10回を超えたらまた○を書いてやっていきます。」
- 「先生がやめと言うまで何度も読みなさい。」
といい,読ませた。数分だったが,多い子で10回以上読んでいた。
「一人で読んでみたい人?」
と尋ねると,一人,大人しいAさんだけが手を挙げる。
一人一人読ませて100点満点で点数をつけていき,気をつけるポイントに徐々に気づかせていこうという意図があった。
だから,最初に読む子は50点くらいだろうと思っていたのだが,Aはいきなり99点の読み。やられた。
何人かに読ませ,最後にBさんが100点の読みをした。
開いているところや連と連の間は一息入れること,読点がわかるように読むことなど読みのポイントを確認し,全員で読ませた。
- 続いて,視写。
題名の位置,書き出しの1行は確認しながら書かせる。
それでもできていない子をチェック。数名いる。
確認した後,残りを写させる。
書くのが極端に遅い子が2名。こちらも要チェック。
早く書き終わった子には暗唱できるまで読ませた。
18名ほどが暗唱できていた。
- 最後に「一字読解」をする。
1)題名は何ですか。 (うぐいす)
2)作者は誰ですか。 (武鹿悦子)
3)詩の意味のまとまりのことを「連」といいます。この詩は何連からできている詩ですか。(三連)
→縦書きなので「3連」ではなく「三連」と書くことを確認した。
4)季節はいつですか。(春)
ここまではポンポンすすむ。
5)1連目。「すきとおる」のは何ですか。
意見が2つに分かれる。「うぐいすの こえ」と「はるのつめたさ」である。
ここで時間終了。
明日までに考えておくように指示した。
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第 2時 4月11日(火) 「うぐいす」その2&「水平線」その1
- まず一度「うぐいす」を読ませる。暗唱できる子は見ないで読ませた。
家で音読練習してきた子を聞き,誉める。5名いた。家で読んでときも○を塗っていいことを確認した。
- その後,一字読解の続き。
5)1連目。「すきとおる」のは何ですか。(うぐいすの こえ)
「うぐいすのこえ」派が多数。
「4行なので2つずつの組み合わせになっている」「音の数から考えると『すきとおる』と『うぐいすのこえ』はセットになったほうがいい」「逆になっていて,『はるのつめたさにおわせて,うぐいすのこえすきとおる』だ」という意見が出る。
音の数という意見が出たので,音の数を数えさせる。7・5・7・5のリズムだ。
また,1連だけではなくて2連も同じような組み立てになっているので,2連を見るとすきとおるのは「うぐいすの こえ」と考えられることを話した。
6)「すきとおる」のはうぐいすのどんな声のことをいっているのですか。(高く澄んだ声,きれいな声など)
透明という意味ではないことを確認し,辞書をひかせた。
あわせて辞書の使い方についても確認した。
7)「はるのつめたさをにおわせる」のは何ですか。(うぐいすの こえ)
8)「うちゅうが一しゅん しん,とする」というのはどんな様子を表しているのですか。
近くの人と相談して考えさせる。
「静かになる」「うぐいすの声しか聞こえない様子」などがあがる
周りの情景を想像させた。
9)話者からうぐいすは見えていますか,見えていませんか。
「見えていない」派が多数。理由を書かせ,同じ班の人に説明させた。
「見えていない」派が「『こえ』と書いているから」「うぐいすの声が聞こえているだけで見えていない。」などの理由を発表する。
次のように話した。
「人間には五感があります。目,耳,口,鼻,肌で感じるのです。」
「うぐいすのこえはどこで感じましたか。」(耳)
「はるのつめたさは」(肌)
「におわせては」(鼻)
視覚は使っていない。
見えていないと考えられるがはっきりとはわからない。どちらの意見でも理由をかけた子には丸をつけさせ,発表できた子は二重丸をつけさせた。
- 最後に一人読みをさせて終了。
- つづいて「水平線」。
念のため。ページに折り目をつけることを確認し,○を10個書かせた。
- 追い読み,一斉読み,教師と子どもの交替読みをした。
- 視写をさせる。早く終わった子は暗唱できるまで読む。
ここで終了。
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第 3時 4月12日(水) 「水平線」その2
- 「うぐいす」「水平線」をそれぞれ1回ずつそろえて読ませる。
(漢字スキルがまだ届かない・・・)
家で読む練習をしてきた子を確認。7人ほど。
- 「読んでいて気づいたことはありますか。」
と尋ねる。
子どもから「同じ連の中で同じ言葉を繰り返している」という発表があった。
そこで,「リフレイン」という言葉を教え,全体でどの言葉が繰り返されているかをノートに書かせた。
「ある」「水平線がある」「水平線」があがる。
全体の中でも同じ連の中でも繰り返しがあり,リズムを作っていたり強調していたりするということを説明した。
(子どもから,「うぐいす」にもリフレインがあるという発言があり,確認する)
- 「ところで,水平線とは何ですか?」
と尋ねるとわかっている子が一人だけだったので辞書をひかせる。
黒板に海と陸を描き,その境目の線が水平線であることを確認する。
- 「2連目を見ます。『空とはちがうぞ』とあります。『空とはちがう』ではどうちがいますか。」
こう問い,「ちがう」と変えて読ませてみた。
子ども達からは「『ぞ』があると力強く感じる」「水平線が言っているような感じがする」などの意見が出る。
子ども達にこういうことを「意思」といったりするのだということを話した。
- 「1連目にもどります。『ゆれているはずなのに』とあります。これを2連と同じように『□とはちがうぞと』と書き換えます。□には何が当てはまりますか。漢字1文字です。」
「海」である。意外と書けていた。
確認のため,
「ゆれているのは何ですか。」
と尋ねた。「海」「波」である。
それでも水平線は一直線にあるのだ。
- そして,
「話者にとって,水平線の大きさはどの連も同じですか,違いますか。」
と問い,ノートに書かせる。
同じという子が19名,違うという子が7名であった。
それぞれ意見ごとに集まり,数分相談させる。
その後,初の討論。
これがなかなか盛り上がる。
女の子が特にいい。
「海と陸からできるのが水平線なのだから同じだ。」
「3連でできているのだから意味があるはず。それぞれ違う。」
「話者の感じたことが三つあって三連になっているのだと思うから,三連になっていても水平線の大きさは同じである。」
「一直線に,はっきりと,どこまでも,とそれぞれの連で書いていることがちがっているのだから,水平線の大きさも違うはず。」
など途切れることなく意見・反論が飛び交う。
時間切れになり,「先生の考えはありますが,内緒です。」と話して授業を終えた。
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第 4時 4月13日(木) 「水平線」その3
- まだ漢字スキルが届かない…。
4年生の時に使った漢字フラッシュカードを大量にやってみる。隣のクラスだった子は「面白い!」とノリノリ。
- 「うぐいす」「水平線」を読ませ,内容に入る。
念のため,海と空の境目の線が水平線であることを確認し,
「海・空と水平線とではどちらが本当に強いのですか?」
と尋ねる。
最初は「海・空」派が3名,「水平線」派が多数。
理由をノートに書かせて指名なし発表。
「海・空」派は「ほんとうのつよさみたいにだから,本当は強いかどうかわからない。」「『みたいに』だから本当は海・空のほうが強い。」「水平線は空と海でできているから空・海のほうが強い。」「~みたいには,ねこみたいにとか犬みたいにとか本当のことではない時に使う。」など。
「水平線」派は「空と海の区別をつけているのが水平線だから水平線の方が強い。」「『どこまでも』『ほんとうのつよさみたいに』とあるから。」「空と海はもともと強いが,水平線は2つが合体してできたのだから水平線の方が強い。」など。
討論はさせず,発表だけで終わらせた。
最後にもう一度どちらか聞いてみると,「海・空」派が11名,「水平線」派が13名と拮抗した。
- 最後に主題を書かせる。
持ち上がりの子は書いたことがあるが,元隣の組の子は初めてだろうと思うので,主題について簡単に説明。
かなり難しいようで,なかなかかけない子も多かった。次のようなものが出た。
1)人は一人一人ちがう。
2)本当の強さは力じゃない。
3)世の中は一人一人が助け合って生きている。
4)人は人と人を比べあっている。
5)世の中はいっぱいすごいものがある。
6)世の中は不幸だ。
7)世の中はがんばれば誰でも強くなれる。
8)世の中は,海と空が必要だ。
9)人は海と空でなごんでいる。
書けなかった子には黒板に書いてあるものを写させた。
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