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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】

「まんがの方法」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2006年6月 8日
更新日:2006年6月21日

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 【事前の全体計画】(7時間)
  1. 音読練習・形式段落に番号をふる。
  2. 音読練習・「問い」と「答え」を見つける。(問に正対した答えがない)
  3. 答えとなるキーワードを見つけ,「まんがの方法」について書いてあるのが4段落から13段落であることを確認する。
  4. 4段落から13段落までを6つのまとまりに分け,それぞれのまとまりのキーワードを2文字で書かせる。
  5. そのキーワードが挿絵とどのように関係しているかを確認する。
  6. 答えの文をつくる。
  7. 14段落,15段落を要約する。
     
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【授業記録】 
 
 第 1時  6月8日(木) 「音読練習」
  1.  形式段落に番号をふらせる。
     全部で16段落あることを告げ,一気にやらせた。
     最初のP48~P49で間違える子が結構いた。このページだけ最初に確認すればよかったかも。
     
  2.  その後音読。
     約2ページごとに追い読みをし,その範囲を起立させ1人読みさせる。
     こうするとだれない。
     机間巡視をしながら,教科書の持ち方を指導。もちろん言葉に出さず,教科書の端をそっと触るだけ。これで気付く。
     また,1人読みのときには,読みの怪しい子のそばへ行き,耳を近づける。
     
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 第 2時  6月9日(金) 
  1.  1時間目の国語。
     運動会関係の連絡(雨という緊急事態なので仕方ない…)で職員朝会が大幅に遅れる。
     漢字スキルテストのあと,少し暗唱。
     
  2.  教科書は,教室を2つに分けての交替読み。(順序を変えてもう一度)
     
  3.  「多くの説明文には筆者の疑問や質問を投げかける『問い』があります。」
     「『田上先生はなぜこれほどかっこいいのでしょうか。』などのようにです。」
     「まんがの方法で,問いの書かれている段落,『問いの段落』は何段落ですか。ノートに書きなさい。」

     1段落である。
     
  4.  続いて,
    「問いの書かれている文,『問いの文』はどれですか。教科書に線をひきなさい。」
     線を引かせたところでチャイム。時間切れ。
     
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 第 3時  6月13日(火)

  1.  お隣同士起立して一文交替読み。
     座ってもう一度。
     
  2.  運動会でしばらく間が開いたので,問いの段落をもう一度確認する。
     
  3.  問いの文に線を引かせたところで前回は終了したので確認。
     「では,そのおもしろさのひみつは,どんなところにあるのでしょうか。」
    である。
     文であるから,「では」からでなければダメなこと,最後の句点まで線を引いていなければダメなことを確認する。
     
  4.  続いて
    「これがあるから問いだとわかる,『問いの一文字』はどれですか。平仮名一文字です。丸をつけなさい。」
    と指示。
     「か」である。
     
  5.  今度は「答え」について。
     「問いがあれば答えもあります。答えの書かれている段落,『答えの段落』は何段落ですか。」
    と尋ねる。
     これはかなり子ども達もかなり苦戦。
     2段落,7段落,10段落,13段落,14段落,15段落,16段落,3段落~15段落,3段落~13段落,5段落~13段落,3段落~7段落と11の意見が出た。
     ここでは処理しきれないので,「とりあえずおいておきます。」といい,次に進む。
     
  6.  次に,
    「問いに対する答えの文はどれですか。」
    と尋ね,4年生で学習したいくつかの説明文で例示し,探させた。
     見つからない。
     問いに対応する答えの文はないのだ。
     
  7.  「この説明文には答えの文がありません。ですから,皆さんにつくってもらいます。」
     「いきなりつくるのは大変ですから,まず,答えをつくるためのキーワードを見つけます。」
     「まんがの面白さの秘密に関するキーワードは何ですか。ノートに書きなさい。」

     若干戸惑う子もいたが,だいたいできていた。「まんがの方法」である。
     
  8.  「具体的なまんがの方法の内容は,何段落に書かれていますか。」
    と尋ね,書かせた。
     A 4段落~14段落
     B 2段落~14段落
     C 4段落~13段落
    という3つの意見が出る。
     まずは,A・BとCを比べ,まんがの方法の内容は2段落から書かれているのか,4段落から書かれているのかについて発表させる。
     2段落から3段落は内容ではなく,まんがの方法の紹介,何かの説明であるということになり,4段落からという結論になる。
     次に,13段落までか14段落までかについて発表させる。
     14段落はまんがの方法がどのように使われているかの紹介,海外での例であるということになり,Cの「4段落~13段落」という結論になった。
      
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 第 4時
  6月14日(水)
  1.  起立して自分の一番速いスピードで音読。
     着席後もう一回。
      
  2.  具体的なまんがの方法が「4段落~13段落」に書かれていたことを確認し,これらの段落を意味の上で6つのグループに分けさせた。
     近くの人と相談してもいいと言ってである。
     何通りもの意見が出た。
     
  3.  そこで,
    「この段落はどの段落とも一緒にならないという段落は何段落ですか。」
    と尋ねる。
     11段落である。単なるつなぎの段落だからだ。
     再度,6つのグループに分けさせる。
     
  4.  これでまとまるかと思いきや,まだたくさんの意見が出る。
     なぜそう考えたのか理由を言わせても良かったが,時間の都合上,ひとまずそのままにさせておく。
     「自分で分けたそれぞれのグループごとにキーワードを2文字で書きなさい。」
    と指示した。(11段落はつなぎの文なので書かせない)
     こうすると,分け方が違っている子たちはキーワードを2文字で見つけられない。
     以下のような分類になり,いくつかのキーワードが出された。
     
     A ④⑤  コマ 方法
     B ⑥⑦  言葉 文字
     C ⑧⑨  表情 人物
     D ⑩    進行 省略 想像
     E ⑪    
     F ⑫⑬   背景
     
     更に,どのキーワードがふさわしいのか検討させた。
     結局,
     
     A ④⑤  コマ
     B ⑥⑦  言葉・文字(どちらがいいか決着がつかず)
     C ⑧⑨  表情
     D ⑩    進行
     E ⑪    
     F ⑫⑬   背景
     
    となった。
     これらをもとに答えの文を作っていくことを話し,終了。
     
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 第 5時
  6月15日(木) 
 
  1.  タケノコ読みを1回。
     そういえばこのクラスでは初めて。
     元,隣のクラスの子も簡単な説明ですぐにできた。
     
  2.  音読後は,昨日休んでいた子もいたので,キーワードを確認。
     それぞれのまんがの方法がどのように実際のまんがにいかされているか,教科書の挿絵(まんが)を見ながら確認していく。
     
  3.  最後に答えの文を書かせる。
     時間がなかったので,書けた子から持ってこさせ,休み時間。
      
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 第 6時
  6月16日(金)
  1.  漢字テストの後,職員室に忘れ物をしたことに気付く。
     子ども達に
    「自分の一番速いスピードで読みます。先生が帰ってくるまでに全員読み終わっていればみんなの勝ち。読み終わっていなければ先生の勝ち。用意,スタート。」
    と言って職員室へ行く。
     戻ったころに,ちょうど最後の子が読み終えた。子どもの勝ち。
     
  2.  昨日書かせた「答えの文」を黒板に書かせていく。
     実は,1人昨日の時点で10点満点の答えを書いた子がいたので,その子のいない列から書かせていく。
     半分の子が書いた時点で個別評定。
     評定の基準は,
     
    1)「(まんがの)おもしろさのひみつは~にあります。(あるのです)」
     という問いと正対した答えの文になっているか。
     
    2)「まんがの方法」というキーワードが入っているか。
     
    3)コマ,表情,進行,背景などのキーワードが入っているか。(全部でなくてもよい)

     
    である。
     10点満点で評定していく。
     最初の最高点は8点。
     
  3.  「8点をこえる自信のある人?」
    と聞き,まだ板書していない子達に来るよう促す。
     何人か来るが8点をこえられない。(最初に板書した子達は再挑戦)
     そうしているうち,最初に8点を書いた子が10点をとる。
     その子と,昨日から10点だった子(控えめなのでまだ板書していなかった)に書かせる。
     観点について簡単に説明し,10点になるよう書きなおさせる。(もちろん,写して書いても良い)
     10点になった子から休み時間。
     以下,板書の様子。
     
     
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 第 7時
  6月19日(月)
 
  1.  要約指導。
     去年からの教え子は,向山式要約指導をよく理解しているが,隣のクラスだった子達は初めて。
     やりながら教えていくことにする。
    「文章を短くまとめることを要約といいます。」
    と簡単に説明。
     
  2.  まずは14段落。
     みんなで読んだ後,
    「14段落を20字以内に要約します。書けたら先生のところへもってらっしゃい。」
    と指示。
     書けた子から板書させていく。
     一通り出たところで,要約の仕方を説明する。
     
     1)キーワードを選ぶ(3つ)
     2)一番大事なキーワードを,最後にする。

     
    である。
     この段落で大事なキーワードは何かを聞くと,「海外」「親しまれている」はすぐに決まったが,最後の一つが「まんが」「日本のまんが」「まんがの方法」「言葉」という意見が出た。
     これは違うというものを消していき,「日本のまんが」ということに落ち着く。
     この段落の要約文は
    「海外でも親しまれている日本のまんが。」
    ということになった。
     
  3.  続いて15段落。
     同様に要約させ,個別評定。
     ほとんどの子が同じ要約文になる。
     「新たに生み出され続けているまんがの方法。」
    というようにだ。
     
  4.  明日,音読テストをすることを告げ,残り時間5分ほど練習させた。
     
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 第 8時
  6月20日(火) 
  1.  隣のクラスとの進度の差があるので,もう少し「まんがの方法」を行う。
     まずは音読テスト。
     自分の一番速いスピードで,それぞれ20秒ほど読ませていく。
     
  2.  指名はランダムにした。
     途中,テストを終えてぼんやりしている子や教科書を持っていない子にいきなりあてて緊張感を保つ。
     
  3.  2名,つっかかりの多い子がいたが,それ以外の子はよく読めていた。
     
  4.  一字読解を少しして終了。
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 第 9時
  6月21日(水) 
  1.  タケノコ読みから。
     今日は,「1人4回までしか読めない。」という制限つき。
     誰も読まなければ教師が読む。
    「一度でも先生に読まれたら先生の勝ち!」
    と言い,煽る。
     結局,後一歩のところで私が読み,私の勝ち。
     
  2.  その後,一字読解の続き。
     テンポよく進める。
     
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