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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】

「大造じいさんとがん」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2006年9月19日
更新日:2006年10月8日

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 【事前の全体計画】(10時間)
 
 第1次 音読練習                        2時間
 第2次 作品の構成の理解                  3時間
      ①人間関係・視点についての検討
      ②場面の設定の確認(この物語の年月についての検討)
      ③いくつかの事件に分け,短文にまとめる
      ④クライマックス・起承転結の検討
 第3次 主題の追究                       2時間
      ①中心人物の検討
      ②主題の追究
 第4次 評論文                          3時間


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【授業記録】 
 
 第 1時  9月19日(火) 「音読練習」
  1.  いつものように場面ごとに「追い読み→その範囲を一人読み」というようにやっていく。
     子どもの読み間違いが予想以上に多かった。
     「え場→えさ場」
     「りょうじゅう→りゅうじゅう」
    などのようにである。
     間違えやすい言葉,読み方の難しい言葉は何度もくり返してみた。
    「じいさんが沼地に姿を現すと,大きな羽音羽音羽音羽音とともに,~」
    というようにだ。
     
  2.  また,読みながら意味の難しい言葉の解説をテンポを崩さないように入れていった。
     授業後,女の子が「先生,たにしって何ですか?」と聞いてきた。
     嗚呼…。それも説明が必要だったか。
     
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 第 2時  9月20日(水) 「音読練習その2」 
  1.  昨日の続きから。
     同じように音読練習をしていく。
     昨日の反省を生かして,読み間違えやすい言葉はくり返し読んでみる。
     今日は子ども達の読み間違えが少なかった。
  2.  残り時間で語句の指導。
     音読練習中に語句の意味についても触れていたが,それ以外の部分で意味のわからない言葉を子ども達から出させ,矢継ぎ早に処理していった。
     
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 第 3時  9月21日(木) 「登場人物の確認」

  1.  起立させ,隣同士で一文交替読み。
     できたら座ってもう一度。
     
  2.  転校生があったりして,残り時間があまりない。
     まずは登場人物の確認。
     大造じいさん,残雪,はやぶさ,おとりのがんがでる。
     
  3.  「大事だと思う順に,番号を書いていきなさい。」
    と指示。
     ほとんどの子は大造じいさんを1番にした。
     残雪を1番にした子は1名。
     これはあとから楽しみだ。
      
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 第 4時
  9月22日(金) 「人物関係図&何年間の出来事が書かれているか」
  1.  昨日の登場人物を確認し,
    「このお話の登場人物の関係を図で表します。」
    と言った。
     初めてのことなので,「ドラえもん」を例に説明する。
     これが良かったのか,楽しんで書いていた。
     なお,この「人物関係図」は『評論文は誰でも書ける』(冨山一美著 明治図書)のP160の追試である。
     
  2.  続いて,
    「この物語には何年間の出来事が書かれていますか。」
    と言い,ノートに書かせた。
     「4年間」という子と「3年間」という子に分かれる。
     班で相談させ,理由を発表させた。
     班で相談させた時点で,ほとんどが4年間という意見になっていた。
     
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 第 5時
  9月25日(月) 「新しいタイプの音読練習」 
 
  1.  初めてのタイプの音読練習をした。
     「。」交替で一人ずつ読ませるとき,読んでいない子の集中が続かないということがあった。
     そこで,「一人」→「全員」→「一人」→「全員」・・・というように一文交替読みをさせた。冨山一美氏の追試である。
     集中力がいつもと違った。
     
  2.  この日は「視点」を扱う。
    「それぞれの場面で,話者は誰の心の中に入っていますか。」
    と問い,それぞれの場面ごとに検討していった。
     1の場面では,大造じいさんの心の中に入っているということを確認し終了。
     
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 第 6時
  9月28日(木) 「話者は誰の心の中に入っているか」 
  1.  前回の続き。
     2の場面から。
     大造じいさん,残雪,両方という意見が出るので一つ一つ確認をする。
     大造じいさんと言う子の根拠として,「ほおがびりびりするほどひきしまった。」というのが出た。
     「ひきしまった」というのを辞書でひかせると,「心が緊張する」ということが書いてあったので話者は大造じいさんの心の中に入っているということになった。(同様に,「心がける」というのも辞書でひかせ根拠とした)
     よって,2の場面も大造じいさん。
  2.  3の場面も同様に確認していき,大造じいさんの心の中に入っているところを3ヶ所,残雪の心の中に入っているところを2ヶ所見つける。
     「両方」という結論になった。
     4の場面は誰の心の中にも入っていないということになった。
     
  3.  1の場面…大造じいさん
     2の場面…大造じいさん
     3の場面…大造じいさんと残雪の両方
     4の場面…誰の心にも入っていない

      
    というようになる。
     このことは,あとで「中心人物」について考えるときの布石である。
     
  4.  残りの時間で「事件」について。
     何度か扱ったことがあることだが,念のためドラえもんを例に説明をする。
     まず,どこから事件が始まったかの確認。
     79ページの1行目までということになる。(それ以前は前書きの部分)
     続いて,1の場面にはいくつの事件があるかを聞く。
     2つの事件があるという結論になった。
     事件1について,1行程度にまとめさせる。
     できた子に板書させ評定。
     キーワードは「大造じいさん」「がん」「うなぎつりばり(or計略)」で,捕まえたという内容であればよいことにした。
     ちなみに,私が考えたのは「つりばりでがんを一羽つかまえた大造じいさん。」である。 
     
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 第 7時
  9月29日(金) いくつかの事件にわけ短くまとめる1 
 
  1.  事件に分け,簡単にまとめる作業の続き。
     1の場面の後半部分「事件2」は,「残雪にしかけをやぶられた大造じいさん。」というようになる。
     
  2.  2の場面は,事件が一つ。
     「事件3」は「残雪にたにしのしかけをやぶられた大造じいさん」というようになる。
     
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 第 8時
 10月 2日(月) いくつかの事件にわけ短くまとめる2
  1.  事件に分け,簡単にまとめる作業の続き。
     3の場面は,事件が二つあるということになった。
     事件4は「P85の11行目まで」という意見と「P85の10行目途中まで」という意見に分かれる。
     簡単な話し合いの後,後者になった。
     
  2.  いつものように簡単にまとめさせる。
     事件4「おとりをつかう作戦を立てた大造じいさん」というようになる。
     
  3.  事件5は二通りの意見が出た。
     大造じいさんと残雪のどちらを中心に捉えられるかという点でだ。
     事件5は,残雪を中心に捉える方は,「仲間を守るためにはやぶさと戦う残雪。」というようになるし,大造じいさんを中心に捉える方は『仲間を守るためにはやぶさと戦う残雪の姿に心を打たれた大造じいさん」というようになる。
     どちらでもいいと話した。
     これもどちらが中心人物かによって変わってくる。
      
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 第 9時
 10月3日(火) 起承転結&クライマックス
  1.  事件6(4の場面)を短くまとめる。
     板書させ,A・Bの2つに分類する。
    「田上先生がどのように分けたのか気付いた人?」
    と問うと,以外にわかった子が多かった。
     事件5と同じように,残雪を中心に捉えているものと大造じいさんを中心に捉えているものに分かれたのだ。
     これも,どちらでもいいと話し,終了。
     お勉強の苦手な子のまとめが上手になってきた。
     
  2.  続いて,「起承転結」を扱う。
     以前もやったことがあったが,念のため説明する。
     下のように書かせていった。
     
     
     
     起は,事件1~2。
     承は,事件3~4。
     転は事件5。
     結は事件6。
     
  3.  続いてクライマックス。
     すぐに「事件5」となる。
     
  4.  そして,クライマックスの中でも最高潮のところ(ピナクル)はどこか尋ねると,7種類の意見が出た。
     明日は,これを扱う予定。
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 第10時
 10月4日(水) クライマックスの検討&中心人物
  1.  クライマックスの検討の続き。
     なぜ,そこだと思ったのか理由を発表させる。
     目を引いたのはMさんの意見。(お勉強の苦手な子)
     彼女は「残雪だ。」を選んだのだが,「だ」という表現に主張と言うか強さを感じ,そこがクライマックスだと言うのだ。
     面白い。
     
  2.  一通り発表させたあと,
    「クライマックスの前と後ではお話がガラッと変わります。前と後でどう変わったのかノートに書きなさい。」
    と指示した。
     
    前…大造じいさんは残雪を狙っていた
    後…狙うのをやめた
     
    という意見が多かった。
     前述したMさんは
     
    前…残雪があまり登場しなかった。
    後…登場した(主役っぽくなった)
     
    と書いた。
     これもすごい。
     
  3.  最後に,
    「中心人物は誰ですか。」
    と問う。
     大造じいさん派15名,残雪派6名。
     これまでの授業をもとに理由を書くよう指示し,最後の数分,同じ意見の子同士集まらせ,意見の交換をさせた。
     明日,討論。
     
 
 第11時
 10月5日(木) 中心人物は誰か?
  1.  前回の続きで「中心人物」について。
     机を討論の形にし,討論。
     
  2.  残雪派。
    「普通のがんではなくて,特別扱いされているがんだから。」
    「クライマックスの場面で中心になっているのは残雪だから。」
    「どの場面にもなにげに残雪が出ているから。」
    「視点は大造じいさんのほうが多いが,目立っているのは残雪だ。」
    「大造じいさんは毎回残雪を捕まえることに失敗している。」
    「物語の最初は残雪から始まっている。」
     
  3.  大造じいさん派。
    「出番が大造じいさんのほうが多いから。」
    「大造じいさんはいろんな場面に出ているから。」
    「題名にも書いてあるから。」
    「話者が心の中に入っているのは大造じいさんのほうが多いから。」
    「視点も大造じいさんのほうが多いし,どの事件に関わっているのは大造じいさんだ。」
     
  4.  最後に一度も発言していない子を立たせ,
    「意見でも反論でも感想でも発表でもかまいません。一言いったら座ります。」
    といい発言させた。
     H君が「心がガラッと変わるのは大造じいさんだから,中心人物は大造じいさんだと思う。」と発言。
     討論中に言ってくれれば…。
     
  5.  今回は,活発な討論にはならなかったが,発言をなるべくしないように気をつけた。
     発した言葉は,討論中にメモをとったり新しい考えを書き足していた子を誉めるのと,何十年も前には「残雪」という題名で教科書に載っていたこともあるという話だけ。
     
  6.  最後にミニ評論文を書かせて終了。
     
 
 第12時
 10月6日(金) 主題を書く
  1.  主題を書かせる。
     転校生がいるため,簡単に主題について説明する。
     
  2.  中心人物を残雪と考えるか大造じいさんと考えるかで主題も違ってくる。
    「自分が中心人物だと思うほうの立場で主題を考えなさい。」
    と指示し,書かせた。
     
  3.  世の中は,人も動物も助け合って生きるものだ。
     はげしく戦った後は必ず何か福がある。
     仲間や友達を助ける広い心を持とう。
     
    などがでる。
     「感動」「威厳」「責任」ということについては出なかった。
     
  4.  この日,学習発表会関係でいろいろ子どもが疲れきっていたので,時間を20分ほど残して授業を終えた。
     
 
 第13時
 10月10日(火) 
  1.  
     
  2.  
 
 第14時
 10月11日(水) 
  1.  
     
  2.  
 
 第15時
 10月12日(木) 
  1.  
     
  2.  

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