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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】

「日本語を考える」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2007年1月21日
更新日:2007年5月 4日

  
 【事前の全体計画】
 
 1.音読・形式段落わけ(1時間)
 2.音読・意味段落わけ(1時間)
 3.問いの段落,問いの文,問いの一字(1時間)
 4.答えの段落,答えの文,答えのリライト(2時間)
 5.指示語の示す範囲(3時間)
 
 ○授業記録
   第1時へ 音読・形式段落わけ
   第2時へ 音読練習,大段落わけ,問いの段落・問いの文・問いの文字
   第3時へ 3段落に対しての答えの文をリライトする
   第4時へ ⑦段落と⑩段落の問いに対する「答えの段落」を見つける
   第5時へ 答えの段落を確定する。指示語に線を引きそれぞれ番号をふる
   第6時へ 指示語その1 
   第7時へ 指示語その2 
   第8時へ 指示語その3 
 


【授業記録】  

 第 1時 1月18日(木) 音読・形式段落わけ

 
 まず,形式段落に番号をふらせる。
 ちょっといつもと違う特殊なところがあるので,①~⑥までは一緒に確認しながら番号をつけていった。
 そのあとは,自力でやらせる。
 最後は⑭で終わることを告げてである。
 
 番号をつけ終わったあと,○10個を書いていたAさんを誉める。
 うっかり忘れていた他の子も慌てて○を10個書く。
 
 そのあと,音読練習。
 ①~⑤まで追い読み。終わったら,起立させ自分で1回読み,読み終わった子から座らせる。
 ⑥~⑧,⑨~⑭も同じように進める。
 
 最後に班ごとに一文交替読みをさせ,終了。

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 第 2時 1月22日(月) 音読練習&大段落分け&「問い」

  
 漢字スキルと暗唱の後は,音読練習からスタート。
 一文ごとに,
「一人で」→「全体」→「一人で」→「全体」→…
 というように読ませていく。
 
 月曜日の1時間目で,どんよりした雰囲気。
 音読練習で,ちょっと元気になってきた。
 でも,これ以上やるとだれそうな感じがしたので,
 もう少し音読をやりたかったがやめておいた。

発問  この説明文を大きく3つに分けなさい。
 
と指示。ノートへの書き方を例示してである。
 早く終わった子には,そう分けた理由が説明できるように考えさせておいた。
 
以下の3つの意見が出た。
  A 「一…①~⑤ 二…⑥~⑧ 三…⑨~⑭」 10名ほど
  B 「一…①~④ 二…⑤~⑧ 三…⑨~⑭」 1名
  C 「一…①    二…②~⑬ 三…⑭」    12名ほど
 
 面白くなりそうだと思ったら,再度人数確認をしたときに,全員がCの意見に変えてしまった。
 何人かにそう分けた理由を発表させる。
 
 次に,
 
発問  二(②~⑬)を更に3つに分けるとするとどう分かれますか。
 
と問い,ノートに書かせる。
 これはよくわかったようだ。
 ②~⑤,⑥~⑧,⑨~⑬である。
 例が3つ出されているからこう分かれて当然だ。
 
 予定では,これで終わりだったが,まだ時間がある。
 「問い」を扱うことにした。
 
発問  「問いの段落」は何段落ですか。
 
と問い,ノートに書かせた。
 ②,③,⑥,⑦,⑨,⑩という6種類の意見が出された。
 そこで,
 
発問  問いの段落は3つあります。この中から3つ選ぶとしたらどれですか。
 
と選ばせた。
 すると,「③,⑦,⑩」という意見が多数となった。
 「②,⑥,⑨は例なので,問いにならない。」ということを確認。
 
 続いてそれぞれの「問いの文」をさがさせる。
 
発問  ③の問いの文はどれですか。線を引きなさい。
 
と指示。
 「いったい,この二つの表現は何がちがうのだろうか。」である。
 念のため,文であるから句点まで線を引かねばならないことを確認した。
 
発問  問いの文の中に,これがあるから問いだとわかる一文字があります。「問いの文字」を丸で囲みなさい。
 
と「か」を丸で囲ませた。
 
 同様に,⑦,⑩についても問いの文に線を引かせていく。
 ただし,これらには問いの文字がないため,「か」を付け加えさせた。
 
 2分前に授業終了。
 2名,問いの文に線を引いていない子がいたので,読んで目の前で書かせた。
 
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 第 3時 1月23日(火) 「答えの文」をリライトする

漢字,暗唱,音読(できるだけ速いスピードで隣と交替読み)。
 
 ③段落の問いの文を一斉に読ませる。
 「この二つの表現」とは何かを確認。「ありがとう」と「すみません」だ。

発問  ③の答えの段落は何段落ですか。

と問い,ノートに書かせる。
 ④である。
 ほとんどの子が正解。

発問  ④を見て,「ありがとう」と「すみません」はどういう表現か簡単にまとめなさい。

と指示。
 指名して発表させる。
  「ありがとう」…感謝の気持ちを直接表す。
  「すみません」…自分をへりくだらせた言い方。

となる。
 
 ④の答えが③の問いと正対していないことを話し,

発問  答えの文を問いの文に合うように書き直しなさい。

と指示。
 ノートを持って来させる。
 ちょっと難しかったようだ。
 もう少し,書き方のフォーマットを示してあげた方が,苦手な子にはよかった。
 「~と~とが違う。」「~か~かが違う。」のようにである。
 
 板書させ,評定。
 キーワードと問いに正対する答え方について解説し,2回目の挑戦。
 「感謝の気持ちを直接表すか,自分をへりくだらせて言うかが違う。」
というようになる。
 
 できた子から休み時間とした。
 
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 第 4時 1月24日(水) ⑦段落と⑩段落の問いに対する「答えの段落」を見つける


 今日は一人ずつ一文交替で読ませる。
 女子の声が出るようになってきた。
 全体的に読み間違えも少ない。
 ただ,句読点での間がしっかり取れていなかった子が多かったので,指導した。
 
 ⑦段落の問いの文「だれに言っているのだろう。」を全員に読ませ,

発問  ⑦段落の問いに対する答えの段落は何段落ですか。  

と問い,ノートに書かせる。
 これは簡単。⑧段落だ。
 ほとんど正解。そして,

発問  ⑧段落の答えの文はどれですか。 

と言い,ノートに最初の5字と最後の5字を書かせた。
 「感謝を示す~然である。」
となる。
 「文」ではなく,途中から書き抜いた子が2~3名いた。
 最後の句点を忘れた子はいなかった。
  全員で答えの文を読ませて終了。
 
 続いて,⑩段落の問いの文「どんな例外があるのだろう。」を全員に読ませ,

発問  ⑩段落の問いに対する答えの段落は何段落ですか。 

と問い,ノートに書かせた。
 迷う子ども達。
「これは迷いますよね。田上先生,学校の先生相手にこの質問をしたのですが,学校の先生方も迷っていました。みんなも迷って当然です。」
と励ます。
 書けた子が,他の子のノートを見て回っていた。
 そこで,ごちょごちょプチ話し合い。
 子ども達の考えは以下の通り。
 
A ⑪…0名
B ⑫…3名
C ⑬…5名
D ⑪と⑫…1名
E ⑪と⑬…3名
F ⑫と⑬…6名
G ⑪と⑫と⑬…0名。
 
 このままどれなのか考えさせようとも一瞬思ったが,ごちゃごちゃしそうなので止めた。
 とりあえず,そのままにしておく。

発問  ⑩段落の問いでは「例外」のことを聞いていますが,例外があれば原則もあります。「ある」と「いる」の原則を書きなさい。 

と言い,ノートに書かせた。
 
 「ある」…生きていないものに使う。
 「いる」…生きているものに使う。
 
である。

 この原則ではないもの。つまり,「ある」を生きているものに,「いる」を生きていないものに使うのが例外です。先ほど書いた,問いに対する答えの段落を変えたいという人は変えてもかまいません。 

と指示する。
 すると,
 
A ⑪…0名→0名
B ⑫…3名→0名
C ⑬…5名→1名→0名
D ⑪と⑫…1名→0名
E ⑪と⑬…3名→1名→1名
F ⑫と⑬…6名→9名→6名
G ⑪と⑫と⑬…0名→11名→14名
 
というように人数が変動していった。
 残ったのは,E,F,Gである。
 論点を絞るために,

発問   ⑪段落は答えの段落に入るのですか,入らないのですか。

と意見を言わせていった。
 まずは,入らない派から。
 「これは,例③の会話について書いているから。」
という意見が多数。
 
 入る派は,
「バスはいない,タクシーならいるといのは例外だから。」
「例③のことが書いてあっても,例外のことが書いてあるから答えになる。」
という意見。
 
 この入る派の意見を聞いて,私も解説。
 ⑪段落は答えの段落になるという結論になった。
 
 残るはE(⑪と⑬)とG(⑪と⑫と⑬)である。
 ここで時間切れ。
 この続きは,明日に持ち越しとなった。

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 第 5時 1月25日(木) 答えの段落を確定する&指示語に番号をふる

 ⑩段落の答えの段落はどれか?
 「⑪と⑬」「⑪と⑫と⑬」という意見が残っていた。
 聞くと,「⑪と⑬」が1名,「⑪と⑫と⑬」が多数であった。
 
 「⑪と⑫と⑬」派は
「例外のことが書いてある。」
「⑪のことが詳しく書いてあるので答えの段落になる。」
という意見。
 
 「⑪と⑬」派は,
「⑪の補足なので入れなくてもよい。」
という意見。
 
 ⑫段落はごちゃごちゃしている段落だということを子ども達に話し,

発問   ⑫段落の中には,原則について書いてある文が入っています。どの文ですか。

と問う。
「例えば,駅に~「バスにある。」が使われる。」の部分である。
 これがなければ,1文目もいらなくなる。
 
 ごちゃごちゃしているところは,余計なものを削ると意味がよくわかるようになるという話をして,答えの段落として⑫段落も入れるということを確認した。

 以上で「問いと答え」のパーツはおしまい。
 次に,「指示語」である。

指示   全ての指示語に線を引きなさい。

と指示する。
 しばらく時間をとり,段落1つずつ確認をしていき,それぞれ番号をふらせていった。
 全部で19個あった。

 次の時間から,それが何を指し示すのかを授業していく。

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 第 6時 1月26日(金) 指示語その1 

今日は,「指示語」の授業。
 昨日,全ての指示語に番号をふらせておいた。

発問  1番。「それまで」の「それ」とは何のことですか。

 書けた子からノートを持ってこさせ,板書させる。
 板書したものを書いた子に読ませ,他の子はその続きを読む。
 (「このように」であれば,書いた子が「すみませんの」といい,他の子が「ように」と読む)
 そして,評定。
 ポイントを示す。
 
 これのくり返し。(簡単な問題はノートを持ってこさせず,すぐ解答)
 
 以下,今日の問題。
 
1 それ(P52L2)→質問を受ける
 
2 その(P52L9)→夕食に招待してくださった
 
3 その(P52L10)→招待してくださった家にいる
 
4 この(P53L5)→「すみません」と「ありがとう」の
 
5 この(P53L8)→②段落
  (※長いので,ここだけ「何段落のことを指し示していますか。」と聞く)
 
6 この(P53L12)→「すみません」の
 
7 これ(P53L14)→直接的な表現をさけ,自分の立場からへりくだって述べる言い方
 
8 あれ(P54L5)→「いただきます」
 
 9番目の「その(めぐみ)」で時間切れ。
 ここは難しい。
 どうするか!?

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 第 7時 1月29日(月) 指示語2

指示語の続き。
 前回,「その(めぐみ)」で終わった。

発問  「めぐみ」とは何ですか。

と問う。
 子ども達はすかさず辞書で引き調べる。
 それをもとに,再度「その」が何を指し示すかノートに書かせた。
 
  (1)お米などを作れる
  (2)米などを作るのを助けてくれる
  (3)お米を作ってくれた人の
  (4)食べ物を作れる
 
と4つの意見が出た。
 それぞれ,後に続く文をつなげて読ませてみる。
 (3)が違うこということがまず問題になった。
 (1),(2),(4)でも間違いではないが,もっとシンプルに「お米など」や「食べ物など」でもいいということを説明した。
 
 以下,今日の問題。
 
10 それら(P54L13)→目の前にいる人,お米を作ってくれた人,自然
   ※「3つ書きなさい。」と言った。
 
11 その(P54L14)→お礼をして食事をする
   ※「ありがとう」など詳しく付け加えて書いている子がいたので,
    直前の文を参考になるべく教科書通り答えるよう指導した。
 
12 その駅(P55L16)→おりた
   ※11で指導したことを受けて,「短く言うと3文字で書けますね。」とヒント。
 
13 そのバス(P56L1)→自分が利用できる
 
14 その人(P56L6)→兄弟や姉と妹という
   ※ここも難しい。もとの文もグチャグチャしている。
 
 ここで時間切れ。
 予定では2時間で指示語を終わらせる予定だったが,無理だった。

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 第 8時 1月30日(火) 指示語3

指示語の続き。
 最初の15番で,「家族」「親戚」といった教科書の文章を離れる答えが目立ったので,教科書の文章をもとに考えることを話す。
 そのあとは,書けたら持ってこさせ,○か×かで評定していった。(数名に板書させる)
 これまでずっと的外れな答えを書き続けていた子が,最後の18番,19番で見事正解したことに感動。
 
 以下,今日の問題。これでラスト。
 時間を10分ほど残したが,間違えて早めに2時間目を終えてしまった。(笑)
 
15 その(P56L7)→兄弟や姉妹の
 
16 その(P56L10)→日本語の
 
17 その(P56L10)→日本語の中に生まれ,その中で育ってきた
 
 ※「日本語の中で育ってきた」「日本語の中に生まれ,日本語の中で育ってきた」も正解とする。
 
18 これ(P56L13)→日本語を学ぶ外国の人たちのとまどいや疑問などについて考えてみる
 
19 それ(P56L14)→日本語の特ちょう

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