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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】

「感じたり考えたりしたことを」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2007年5月 1日
更新日:2007年5月 1日

  
 ○授業記録
   第1時へ 構成を工夫して書こう
   第2時へ 向山実践「文を長く書く」の追試
   第3時へ 「教室の風景」を書かせる
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 第1時 構成を工夫して書こう  ~2月19日(月) 

 
  「構成をくふうして書こう」の単元に入る。
 体験の中から感じたり考えたりしたことを書くという内容だ。
 
 これは難しい。
 体験は頭の中にある。
 それを頭の中で処理して,書かなければならないのだ。
 なおかつ,作文の構成を工夫しなければならない。
 ある程度文章が書けないと,構成の工夫までいかないだろう。
 
 あれこれ考えつつ,最初の時間は音読をする。
 そして,書き方について教科書をもとにまとめさせた。
 その中の3つめに「事実と意見をはっきりさせて書く」というのがあったので,事実と意見のちがいについて念のため確認する。

発問   「ここは5年2組の教室である。」
     これは事実ですか,意見ですか。

というようにである。
 
 ちなみに,
「田上先生はカッコイイ」
という文に対して,事実と答えた子は3名。
 残りは意見と答えた。
 
 正解は「事実」。(と言い張った…)

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 第2時 向山実践「文を長く書く」の追試  ~2月20日(火)

向山先生の「文を長く書く」の追試をした。
 
 4年生から受け持っている半分の子達は2回目である。(4年生の時にも追試した)

発問  先生がこれからする動作を作文にします。できるだけ長く書きなさい。

と言うと,「あー,あれか!」と言う子もいた。
 
 廊下に出て,教室へ入り,一連の動きをする。
 手をパチンとたたいたら,スタート。
 
  D…低学年
  C…4年生
  B…5年生
  A…6年生
 
と板書する。
 
 カリカリカリカリ。
 鉛筆の音だけが教室に響く。
 最初の挑戦者はM君。
 評定はC。
 
  原稿用紙の4分の1以下だったらD
  半分以下だったらC
  1枚以下だったらB
  1枚以上だったらA

 
という基準だ。
 
 「A君,音のことがかいてあるなぁ。これはいい工夫だ。」
 「Bさん,自分の思ったことを書いていますね。すごい!」

というように,いい点を他の子に聞こえるように話す。
 それを真似して,他の子も作文もどんどんよくなっていく。
 
 初の「A」はXさん。
 クールな女の子だ。
 「A」を書いたとき,「やった~!!」と飛び上がった。(こんなことを決してやりそうにはない子だ)
 
 最終的に,全員がB以上になって終了。
 最後の最後まで集中が途切れなかった。チャイムが鳴ったあとも「まだ書きたい。」という声があがったほどだ。
 
 一番高い評価だったのは最後の最後にぎりぎりで持ってきたZ君。
 お勉強が苦手な子だが,よくがんばって力をつけている子だ。
 A++の評定をつけた。(1枚半と3行)
 うれしかったらしく,次の日も,「先生,俺より上の人いた?」と聞いてきた。
 
 句読点の間違いや誤字脱字は多いが,原文のまま紹介する。

 5-2の先生おもしろい
                               Z
 ぼくの,たんにの先生は,田上先生である。
 
 田上先生は,ちっちゃい子みたいに,あそぶのがすきで,ある。なぜなら,まどから目を光らせて,ギョろギョろとのぞいてくるからである。ぼくは,「クス,おもしろいことするな~。」と思いながら見ていた。
 
 みんなもすごく,笑っていた。入いって来る時ドアをあけしめ,して,その時「ようちだなぁ~。」と思った。だけど次はもっとおもしろい。でんきを,つけたり,けしたり,「お笑いできるかも!」と言いそうに,なってしまった。心の中では「ウォーセーフ。」と思いながら見ていて。次におきたことは,いがいだった。「カチカチ,カチカチ。」まるでリズムをとっているようであった。心の中では,「すげーいいセンスしたるな~ラップとかできるかのうせい75%ぐらいは,あるぜったいに,あるぞー。」と思った。
 
 すごくリズムにつれそうに,なった。「失敗したなぁーこのなにすごいことできるのに,ようちだなんて,ありえないよなぁー,逆におれがようちだぁ~。」と,すごく,伝たわってきた。
 
 次もおもしろい目を丸くして葵の方やりくの方を見ている。2人とも笑っていた。ぼくも笑いながら,思った。「さっきのリズムはなんなんだぁーせっかくすごいとそのけいしていたのに。」「いみないなぁー。」とあらためて思った。
 
 先生は,ようちなところも,スゴーイところも2つあると言うことがわかった。

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 第 3時 「教室の風景」を書かせる  ~2月21日(水)

今日は,水野先生の追試で「窓から見える風景」を書かせようと思っていた。
 
 しかし!
 今日は天気がよく,日差しが入ってくるのでカーテンを閉めていた。
 そして,そもそもウチの教室からは,体育館ぐらいしか見えないという致命的な点があった…。
 
 ということで,「窓から見える風景」ではなく,「教室の風景」を書かせることにした。

指示  今日は,教室の風景を書きます。自分の席から見える風景です。
     ただし,持ってくるのは1回だけです。1回だけで評価をします。
     でも,相談するために持ってくるのは認めます。
     何か質問はありますか?では,始め!

 うまいと思ったところに印を入れながら,声に出してほめた。
 
 テーマを「教室の風景」としたことで,水野学級の美しい描写とは全く正反対のお笑い系作文になってしまった…。
 
  教室の風景
                                  A
 
 自分の前にある黒板は,緑色で一度けした字がうっすら見える。チョークの色は全部で白,赤,黄色である。
 自分が今作(ママ)っているつくえがある。少しきづついているが,変なところが一つもない。
 教室の上の方についている時計は,授業の時間などをあらわしてくれる。
 自分の横にあるジャンバーかけみたいなのは,男子はぐちゃぐちゃである。女子は少しきれいである。
 黒板横にある先生ががんばって500円をためて買ったボードがある。教室の上にある学級目標がある。その字はついつい見てしまうのだ。
 自分の横にある100冊以上ある本は,先生が買ったもので,実は500円以上もらっているのでは?
 そして,先生は今作文の点数をつけている。

 
  ※「先生のお小遣いは月500円だ。」と常々言っているのです…。
  ※ちなみにスマボは私のものではなく,札向国のものを預かっています。
  ※教室前面に余計な掲示をしてはいけないということが改めて分りました。
 
 
 
   教室の風景
                                    B
 
 今私の目の前には,大きな黒板が広がっている。その左側の少し前には,先生の大きなつくえがある。
 先生のつくえには,ふだん勉強で使う物がほとんどそろっている。特に赤えんぴつ・えんぴつはたくさんある。生徒が忘れた時にこれらを先生が貸してくれる。私も借りた事がある。昨日,おとといに。次に,日記が目に入った。そういえば,「パーティーをするには名目が必要。」と先生が言った次の日,男子のほとんどが日記を持ってきていた…。それに気付いた私は笑っていた。他にも先生の机にはプリント等が広がっている。
 私が日々思う事は,「先生,つくえをキレイにして下さい。」という事だ。でも先生のつくえがキレイだと,少しさみしいかもしれない。

 
  ※机が汚い,教室の隅々まできれいにせよという女子多数。
  ※でも,小奇麗にしているつもり。

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