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【同時進行の向山型国語5年(教育出版)】
「みすゞさがしの旅」
TOSSシグナス/札幌向山型国語研究会 田上大輔
作成日:2007年5月3日
更新日:2007年5月3日
○授業記録 第1・2時へ 音読練習 第3時へ 「誰が何をした話なのか30字以内でまとめる」 第4時へ 「大漁」の詩を「対比」で読み取る。 第5時へ 「大漁」と「わたしと小鳥とすずと」とを「ベン図」にまとめる。 第6時へ 「わたしと小鳥とすずと□」の□に入る言葉を検討する。 |
【授業記録】
第1・2時 音読練習 3月2日,5日 |
省略。
第3時 誰が何をした話なのか30字以内にまとめる 3月6日(火) |
音読練習のあと,
発問 この話は,誰が何をした話なのですか。30字以内にまとめなさい。 |
とノートに書かせる。
板書,評定,再挑戦というように進めた。
「著者がみすゞさがしの旅をして全作品と生涯にたどり着いた話。」
というのが私の考えた解。
見る観点は,
1.「~が~した話」という形になっている。
2.「著者(作者)」「みすゞさがしの旅」「たどり着く」というキーワードが入っている。
ということ。
要約指導よりもアバウトな形でやらせた。
以上,1時間で全体の読み取り終了。
第4時 「大漁」を対比で読み取る。 3月7日(水) |
暗唱できるようにくり返し読む。
この日は対比を扱う。
発問 何と何が対比されていますか。詩の中の言葉で答えなさい。 |
と書かせた。
久しぶりなので,対比についての説明と例示(先生と子どもなど)をしてである。
「はま」と「海の中」,「祭り」と「とむらい」があがる。
それを「はま」と「祭り」,「海の中」と「とむらい」というように仲間分けした。
発問 どんな点で対比されていますか。 |
と尋ね,ノートに書かせる。
これもいくつか例示をする。
【はま・海の中】 【祭り・とむらい】
食べる 食べられる
追いかける 逃げる
強い 弱い
売る 売られる
人 魚
うれしい 悲しい
わいわい しょぼん
大きい 小さい
にぎわい 悲しみ
明るい 暗い
喜ぶ 泣く
などがあげられた。
(これと同時に,設定などを確認していった)
第5時 「大漁」と「わたしと小鳥とすずと」とを「ベン図」にまとめる 3月8日(木) |
『向国教え方教室誌』No12の水野先生の論文にあった「ベン図」を使って授業した。
指示 この詩をベン図に表します。 |
と言い,円を2つ書き,それぞれの円の上に「人」「魚」と書かせた。
この円に対比されている言葉を入れるのだ。
「食べる」「食べられる」と入れた子が多い。
発問 円が重なっている部分,つまり共通している部分に当てはまる言葉を入れなさい。 |
と言い,書かせた。
「生きている」「生き物」などが多い。(命というのがなかったのが意外。あとで出てきた)
そして,
発問 この詩の主題を書きます。ただし,この重なっている部分に書いた言葉を必ず使います。 |
と書かせた。
1)小さな生き物,大きな生き物,みんな同じ大きさの命。
2)食べる人間も食べられる魚も同じ命。
3)いっぽうでよろこんでいても,ちがう所で悲しんでいるものもいる。
4)命はなくなればかならず悲しむものがいる。
などが出た。
残り20分ちょっとの所で「わたしと小鳥とすずと」に入る。
指示 10回以上,暗唱できるぐらい読みなさい。 |
と言い,練習させた。(最初にこの詩を読む練習をしてあったので,突き放す)
暗唱詩文集のように隠させながら全体で二度読ませる。
発問 一連目。何と何が対比されていますか。 |
と尋ねる。
「わたし」と「小鳥」だ。
指示 先ほどと同じように「ベン図」に表します。 |
と言い,一つずつ確認していった。
「わたし」は「走れる」,「小鳥」は「とべる」,重なる部分は「生きている」「生き物」である。
二連目。
「わたし」と「すず」は一気にやらせる。
重なる部分が難しい。
「わたし」は「歌を知っている」,「すず」は「きれいな音を出せる」,重なる部分は「きれい」などである。
三連目。
「わたし」と「小鳥」と「すず」をベン図で表さず,
発問 「みんなちがってみんないい」の「みんな」とは,わたしと小鳥とすずだけのことですか。 それともそれ以外のものも入りますか。 |
と尋ねた。
挙手で確認。
時間がなかったので,それ以外のものも入るということを伝えた。
そして,「決定的な証拠があるのです。」と探させた。
「わたしと小鳥とすずと」の最後の「と」である。
第6時 3月12日(月) 「わたしと小鳥とすずと」の主題を考ええる |
発問 「わたしと小鳥とすずと□」 □の中に当てはまると思うものをできるだけたくさん書きなさい。 |
と指示。(その間に黒板を四等分しておく)
全員に発表させる。
そのものが,「わたし」の仲間なのか,「小鳥」の仲間なのか,「すず」の仲間なのか,それ以外なのかを考えさせていった。
【わたし】
人類,君,みんな
【小鳥】
ゴキブリ,魚,馬,カラス,木
【すず】
消しゴム,ラーメン,テレビ
【その他】
雪,空,天空,エアーズロック,宇宙
などのようにである。
そして,「わたし」「小鳥」「すず」は何を代表(象徴)しているのかを考えさせた。
わたし…人間
小 鳥…人間以外の生き物
す ず…もの ←私の考えは「文化的なもの」であった)
(その他は「自然」となった)
である。
そこで,
発問 「みんな」というのはこの世のものすべてなのですか,それとも当てはまらないものもあるのですか。 |
と尋ねる。
ほとんどの子がこの世のもの全てだという。
時間があればゆっくり考えさせたかったが,私から
「では,わたしと小鳥とすずと悪魔でもいいのですね。」
「わたしと小鳥とすずといじめ,わたしと小鳥とすずと殺人,みんな違ってみんないいんだな?」
と言うと,「それは違う」と言う。
発問 では,「みんな」とは何のことなのですか。 |
とノートに書かせた。
そして発表。
最後に主題を書かせる。
いろいろあるが,結局のところ「みんなちがってみんないい」という1行になるのである。
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