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【同時進行の向山型国語6年(教育出版)】
「短歌と俳句」
TOSSシグナス/札幌向山型国語研究会 田上大輔
作成日:2007年7月11日
更新日:2007年7月14日
○授業記録 第1時へ 短歌・俳句・川柳とは何か? 第2時へ 暗唱 第3時へ 「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」 柿本人麻呂 第4時へ 「菜の花や月は東に日は西に」 与謝蕪村 第5時へ 第6時へ 第7時へ |
【授業記録】
第1時 短歌・俳句・川柳とは何か? |
短歌・俳句・川柳とは何かを確認していく。
発問 短歌は何音で作られていますか。 |
ノートに書かせる。
5・7・5・7・7の31音。
その他,短歌の歴史も確認していく。
短歌は,いつも五色百人一首で慣れ親しんでいるのでわかりやすい。
発問 俳句は何音で作られていますか。 |
ノートに書かせる。
5・7・5の17音。
発問 俳句の中によみこむ約束になっているものは何ですか。 |
季語である。
その他,俳句の歴史を確認する。
発問 川柳は何音で作られていますか。 |
5・7・5の17音。
俳句と違って季語が要らないことを確認する。
その後,教科書に載っている短歌や俳句の音読をしていく。
第2時 暗唱 |
音読練習の続きをした後,暗唱。
必ず暗唱しなければならないものをいくつか指定する。
暗唱合格表に,「正」の字で,短歌をいくつ暗唱したか,俳句をいくつ暗唱したかを書きこませていくことにした。
第3時 東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ 7月11日(水) |
柿本人麻呂の「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」を授業する。
もちろん,向山先生の実践の追試。
すでに音読練習はしてあるので,まず,視写させた。
早く終わった子は暗唱できるように練習。できるようになった子は他の句の練習。
指名なしで何人かに朗読させる。
どこで区切っているかを意識させて他の子には聞かせた。
発問 今,話者はどこにいますか。 |
とノートに書かせる。
「野」だ。
発問 どちらを向いていますか。 |
と聞く。
「東」だ。
発問 何を見たのですか。 |
とノートに書かせる。
ほとんどの子が「月」と書く。
「かぎろひ」と書く子がほとんどいない。(ここで,「かぎろひ」の説明を簡単にした)
発問 同じ方向,つまり東の方に月も陽炎も見えたのですか。 |
と聞くと,違うという。
発問 どの言葉でそれがわかりますか。 |
と聞き,ノートに書かせた。
「かへり見すれば」とほとんどの子が書く。
発問 みんなから見て,先生は東の方とします。陽炎はどこに見えたか指さしなさい。 |
教師の方である。
発問 月はどこに見えたか指さしなさい。 |
みんな後ろを指さした。
「かぎろひ」という言葉から,季節は春か初夏であることを確認。
発問 太陽はどちらの方角にありますか。 月はどちらの方角にありますか。 |
と,それぞれ聞いていく。
ここまではよい。
発問 一日のうちのいつ頃ですか。 |
と聞くと,朝だという子と夕方という子が半々。
発問 太陽が真東に出て,月が真西に出るのはどんな時ですか。 |
と聞いても,あやしい。
念のため
発問 太陽は西から昇るのですか,東から昇るのですか。 |
と聞くと,これも半々に分かれた。(笑)
こんなことで討論している場合ではない…。
どうやら,「天才バカボン」のテーマ曲(西から昇ったお日さまが,東へ沈む)に影響を受けたらしい。
第4時 |
ご存知のように,向山先生の有名な実践がある。子どもの実態に合わせ,一部を若干変えて追試した。
すでに音読はしているので,視写から入る。
書けた子からそれぞれ自分なりの読み方で読ませた。
全員が書けたところで,指名なし朗読。
どこで区切って読んだかに注目させる。
発問 季語は何ですか。 |
向山先生の実践にはないが,追加した。
菜の花だ。
発問 季節はいつですか。 |
春。
発問 話者はどこにいますか。 |
菜の花畑のあるところだ。
「いちめんのなのはな」(風景)を学習していたので,そのように菜の花畑が一面に広がるところと考えた子と,野原の中に菜の花畑がちょこんとあると考えた子に分かれた。
どちらでもよい。
発問 目に入る色は何ですか。 |
菜の花の黄色と答える。
その他,緑(茎の部分),白(月),赤(日)とあると答える子もいた。
一番目に入る色は黄色であるということで次に進む。
発問 においを感じますか。 |
菜の花のにおいを感じる。
そして,注目の発問。
発問 時刻はいつ頃ですか。 |
前回,「太陽は西から昇る」と答えた子たちである。
しかし,何と,全員正解!
夕方(夕暮れどき)だ。
目を瞑らせ,これまでのことをもう一度おさらいして,頭の中に情景を描かせた。
向山先生の実践にはないが,次に「切れ字」を扱った。
発問 話者が感動しているのは,「菜の花」ですか,「月や日」ですか。 |
10人ほどが月や日と答え,その他は菜の花と答える。
これは,菜の花であると教え,理由を聞いた。
実は,4年生の時に1度だけ「切れ字」を教えたことがある。
4年生の時も私のクラスだった子で,もしかしたら覚えている子がいるかもしれないと思ったが,誰もいなかった。
「切れ字」について教える。
そして,メインの発問。
発問 話者は歩いているのですか,止まっているのですか。 |
歩いているという子が7名,その他は止まっているという。
発問 どの言葉でそれがいえるのですか。 |
と尋ねる。
理由をノートに書かせた。
歩いている派は,「月は東に日は西に」を根拠に,月が東で太陽が西と反対なので,止まっていると両方見えないという。
他の意見は出なかった。
止まっている派は,「菜の花や」を根拠に,感動の中心が菜の花だから歩きながら菜の花を見ていたらおかしい,「月は東に日は西に」を根拠に月と太陽を一緒に見るなら止まっていたはずであると答える。
実は,ノートに「に」を丸で囲んでいた子がいたのだが,それについて発表しなかった。
それを取り上げ,
発問 「月は東だ日は西だ」としたら,どんな感じになりますか。 |
と聞く。
こっち,こっちと1つ1つ見ている感じになるという意見が出る。
言い切った形,止まっているという意見も出る。
子どもたちからは出なかったので,清音,濁音についても触れる。
次に
発問 「月は東へ日は西へ」としたら,どんな感じになりますか。 |
と聞く。(大森修先生の発問)
月も日も動いている感じになるという意見が出る。
「手を使って,動きをやってみてごらん。」
というと,子ども達はおかしいことに気づいた。
月と太陽がクロスする,ミラクルである。(笑)
最後に,
発問 「月は東に日は西に」としたら,どんな感じになりますか。 |
と聞く。
じっと見ている,同時に見ている,「に」の後に何か続く感じになるなどの意見が出た。
情景を思い描かせ,それぞれ読ませて終了した。
第5時 |
第6時 |
第7時 |
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