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【同時進行の向山型国語6年(教育出版)】

「言葉のリズムを楽しもう」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2007年4月27日
更新日:2007年4月27日

【授業記録】  

 「言葉のリズムを楽しもう」~明治と大正の詩の違い

 「花」(春のうららの隅田川~)を範読し,子ども達に一斉に読ませる。
 次の「汽車」(今は山中 今は浜~)も同様に範読し,子ども達に一斉に読ませる。

発問 この2つの歌は,何音と何音の組み合わせでできていますか?

と問い,ノートに書かせた。
 「七音」と「五音」である。

発問 他に七音と五音の組み合わせて出来ているものは何ですか。教科書の中から漢字2文字で3つ書きなさい。

 標語,短歌,俳句である。
 それぞれ代表的なものを例示し,指を折らせながら読ませた。
 「これ以外に付け加えられる人はいませんか」
と聞くと,「川柳」が出た。
 
 また教科書の例文(「春が来た」「咲いたよ咲いた 桜にさくらそう」「ことり にわとり おながとり~」)を範読し,子ども達に一斉に読ませ,

発問 どのようにすると言葉にリズムが生まれますか。教科書から書いている部分を見つけて書きなさい。
 
と尋ねた。
 
 決まった音を文の決まった位置に使う。
 言葉の一くぎりの初めや終わりと同じ音にそろえる。
 
である。
 ここまでざっと終わらせ,今日のメインへ。
 「四・四・五」のリズムを授業する伴一孝先生の追試である。(詳しくは,『伴一孝「向山型国語」で力をつける第1巻』のP112をごらんいただきたい)

 「花」(春のうららの隅田川~)をスマートボードで提示する。
 先ほど音読しているので,いきなり子ども達に一斉読をさせる。
 「明治時代の歌です。」と教える。
 
 「赤とんぼ」(ゆうやけこやけで~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 「大正時代の歌です。」と教える。
 
 「荒城の月」(はるこうろうのはなのえん~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。

発問 この詩は明治の詩ですか。それとも大正時代の詩ですか。
 
 挙手で確認する。
 まだ子ども達は気付いていない。半々だ。
 明治時代の歌だ。
 
  「かたつむり」(でんでんむしむしかたつむり~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 この詩は明治の詩ですか。それとも大正時代の詩ですか。
 
 挙手で確認する。
 大正時代の歌だ。
 
  「あめふり」(あめあめふれふれかあさんが~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 この詩は明治ですか,大正時代ですか。
 
 挙手で確認する。
 大正時代だ。
 ちょっとずつわかってくる子が増えてきた。
 
  「一月一日」(としのはじめのためしとて)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 明治?大正?
 
 挙手で確認する。
 明治時代。
 
  「夕やけ小やけ」(ゆうやけこやけでひがくれて~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 明治?大正?
 
 挙手で確認する。
 大正時代。
 
  「我は海の子」(われはうみのこしらなみの~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 明治?大正?
 
 挙手で確認する。
 明治時代。
 ほとんどの子が正解するようになる。
 
  「ふじの山」(あたまをくもの うえにだし~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 明治?大正?
 
 挙手で確認する。
 明治時代。
 
発問 どうして,明治時代の詩だとわかるのですか?
 
 数名に答えさせる。
 「七・五のリズム」という答えが子ども達から出てきた。
 明治時代。
 
  「すずめのかあさん」(子どもが子すずめつかまえた~)をスマートボードで提示する。
 教師が範読し,子ども達に一斉読をさせる。
 
発問 明治?大正?
 
 挙手で確認する。
 大正時代。
発問 どうして,大正時代の詩だとわかるのですか?
 
 数名に答えさせる。
 すぐに「四・四・五のリズム」という答えが出た。
 
発問 明治の頃まで,日本の詩は,俳句や短歌と同じように「七五」のリズムで作られていました。
    大正時代,それまで日本にはなかった「四四五」のリズムが登場します。
    これはどうしてだと思いますか。
 
 子ども達には難しかったようだが,「外国の影響」という意見が出てきた。
 ここで「仰げば尊し」を提示する。
 明治17年,文部省唱歌に制定される。メロディーはスコットランド民謡。
 日本には存在しなかった三拍子に歌詞をつけるための「四四五」のリズムになっている。
 大正時代に活躍した詩人は,この唱歌を歌って育てたのだということを説明して授業終了。

 説明せずに,明治の詩と大正の詩の違いに気付いていく知的な授業であった。

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