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【同時進行の向山型国語6年(教育出版)】

「イナゴ」

TOSSシグナス札幌向山型国語研究会  田上大輔
作成日:2007年9月21日
更新日:2007年9月21日

  
 ○授業記録
   第1時へ 設定・対比
   第2時へ ぼくはイナゴを捕まえようとしていたのか?
   


【授業記録】  

 第1時 対比 

 この日から,教科書も下巻に入る。(折り目つけなどは配布時に済ませておいた)

発問 イナゴって何?

 子どもたちに聞く。いろいろな声は上がるがはっきりとは分からない。見たことがあるという子もほとんどいない。そういう時は辞書を引く。
 バッタの仲間であること,色,体長,住んでいるところ,漢字で書くとどうなるか,何を食べているのか,食用になること,害虫であることなどを確認する。

発問 この詩は何連からできていますか。

 2連目がページの境目にありわかりにくいので,念のため確認した。
 3連の詩である。

指示 自分の読み方で2回読みます。

 起立させ,読ませる。
 「どんなところに気をつけて読みましたか。」と指名して聞く。
 「!」,連の間をあけて読むところ,一字空け, 「…」のところという意見が出た。

指示 今出た意見のところに気をつけて,もう2回読みましょう。

 その後,読んでみたい人を3名指名し,読ませる。
 他の子に読み方のどこが良かったか,読み間違いの点などを言わせた。

 次に,設定の確認である。

発問 話者は誰ですか。

 ノートに書かせる。以外と迷っていた子が多かった。「ぼく」である。

発問 季節はいつですか。

 ノートに書かせる。「夏」という子が1名。その他は「秋」だ。秋ということを確認する。

指示 秋だとわかる証拠となる言葉があるはずですね。その言葉に指を置きなさい。

 「イネ」に指を置いた子が多かった。

発問 場所はどこですか。

 ノートに書かせる。「川の近く」と答えた子が1名。答えは田である。
 そして,先ほどと同じように,田だという証拠になる言葉に指を置かせる。
 ほとんどの子が「イネ」に指を置いていた。
 「イナゴ」でもわかるということを確認する。

発問 時間はいつですか。

 ノートに書かせる。「夕方」だ。
 これも,夕方だという証拠になる言葉に指を置かせる。「夕やけ」だ。
 「ここまでがこの詩の簡単な設定です。」と言い,

発問 この詩の中で,対比されているものは何と何ですか。

と問う。ノートに書かせ,1つ書けた子から持ってこさせる。
 ぼくとイナゴ,強い生きものとよわい生きもの,はっぱとイネ,夕やけとイナゴという意見が出される。

発問 この中で,一番重要な対比は何ですか。

 「強い生きものとよわい生きもの」が5名。他は「ぼくとイナゴ」であった。
 深く扱わず,「ぼくとイナゴ」と確定し,次に進める。

指示 「ぼく」と「イナゴ」の対比を「ベン図」にしてまとめなさい。

 「例えば,イナゴがお金持ちでぼくが貧乏というように」などと例示した。
 完成した人から黒板に書き入れていくよう指示。

発問 この中で,場合によっては入れわかることもあるというものはありませんか?

と問う。
 例えば,ぼくが虫になって,イナゴが人間になるというようなものだ。
 「強いとよわい」という意見が出た。
 害虫としてのイナゴの側面を話す。

 そして,ベン図をまた利用して次のように尋ねた。

発問 「ぼく」というのは何の代表ですか。(人間)
    「イナゴ」というのは何の代表ですか。(虫)
    もう一つ,「イネ」があります。何の代表ですか。(自然)
    ぼくとイナゴのベン図にイネを書き入れるとしたら,つまり,人間と虫のベン図に自然を書き入れるとしたらどのような
    ベン図になりますか。

 次の3つの意見が出た。



 時間がなかったので,深くは扱わなかった。

 残り時間3分。
 対比のまとめを書かせるのをやめ,今日勉強した時点での「主題」(仮主題)を書かせてみた。
 3分でノートを持ってきた子は3名。
 やはり,ここまででは難しいようだ。
 途中で終了。

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 第2時 ぼくはイナゴを捕まえようとしていたのか?

 この日,研究授業。
 音読のあと,念のためと言って
「このイナゴは虫のイナゴですか,ロボットのイナゴですか?」
「でも,エンジンをかけたままと書いているから,ロボットなのではないですか?」
と尋ねる。
 そんなわけはない。(笑)

発問 このようなたとえの表現を何というのですか?

「比喩」である。

指示 この詩には他にも比喩があります。指さしてごらん。

「川のように~」というところにほとんどの子が指を置く。
 意味を確認する。
 他にもないか聞くと「もえている~」が出てきた。
 
 そして,「では,エンジンをかけたままとは一体どういう状態なのか?実際にやってもらいましょう。」と男子を起立させ,やらせた。
 いまいちだった…。

「イナゴは逃げようとしていたのですね。」
「何から逃げようとしていたのですか。」(ぼく)
と問答をし,主発問。

発問 ぼくはイナゴを捕まえようとしていたのですか?

 挙手で人数確認。
 捕まえようとしていたという子が6名,捕まえようとしていないという子が17名。
 ノートに理由を書かせる。
 ちょっと難しそうだったので,最後に同じ意見の子同士で集まらせて,相談させた。
 そのあと,討論。
 「…」の解釈を述べる子,三連との関連から意見を述べる子がいたが,途中で,文章から離れる流れになり,それをちゃんと戻せずに終了。
 
 最後に主題を書かせた。
 
   強いものとよわいもので世界は成り立っている。

   虫は人間を怖がっているから大切にしなければならない。

   世の中は不平等だが,工夫することで平等になることもある。

   世の中には強いものとよわいものがいる。


 子ども達の思考を深めることができずに終わってしまった。
 反省。

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