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見過ぎは×!テレビ視聴の弊害

TOSSシグナス田上大輔
作成日:2002年6月2日
参考文献:「教え方のプロ・向山洋一全集12家庭教育の指針

 子どもにとって悪影響の大きい、テレビの見過ぎを予防する実践です。(小学校3年生での実践)

 授業の前にノート代わりのプリントを配布した。

発問1 あなたの一番好きなテレビ番組は何ですか?

1つだけ、プリントに書かせ、全員に発表させた。その後、昨日の新聞のテレビ欄をコピーしたものを配布し、次のように指示した。

指示1 昨日見たテレビ番組を赤鉛筆で囲みなさい。

指示2 テレビゲームをしていた時間のところを鉛筆で囲みなさい。

指示3 昨日のテレビを見た時間とゲームをしていた時間を合わせた時間を書きなさい。

 挙手で分布を確認した。クラスでは、

0〜1時間未満    2人(男子1名、女子1名)
1〜2時間未満    5人(男子4名、女子1名)
2〜3時間未満   12人(男子6名、女子6名)
3〜4時間未満    4人(男子2名、女子2名)
4〜5時間未満    4人(男子0名、女子4名)
5〜6時間未満    3人(男子0名、女子3名)
6〜7時間未満    2人(男子2名、女子0名)

という結果になった。

発問2 テレビのいいところは何ですか?

(子どもから出た意見)

楽しいところ、面白いところ。

いろいろな情報を見れる。

天気が分かる。

ニュースなど、世界のことや事件を知らせる。 など

発問3 テレビを見ていても大丈夫な時間は何時間まででしょうか?

 1時間まで、2時間までと答えた子があわせて3分の1。3時間までと答えた子が3分の2弱。4時間まで、5時間までと答えた子が少数いた。

説明1 テレビを見ていても大丈夫な時間は、1時間30分と言われています。
 テレビを1時間見た時の害を「1」とすると、2時間では「4」、3時間では「9」、4時間では「16」、5時間では「25」、6時間では「36」、7時間では「49」になると言われています。

 「えー。」、どの子も驚いているようだった。グラフを書きながら説明したので、その害の数値が急上昇している視覚的な効果もあったようだ。

説明2 テレビにも、みなさんが発表したように、様々な情報、ニュースを知らせたり、楽しい気分にしたり、時には感動したりといいところもあります。
 でも、見すぎると体にたくさんの害を与えます。特に子どもはより多くの害を受けます。
 目が悪くなることはもちろん、テレビを見ることによって家族の会話が減ったり、忘れ物が増えたり、やることが雑になったり、物事を続ける力が弱くなったり、人の目を見て話せない人になるとも言われています。
 テレビやゲームの時間が長くなりすぎないよう、家族とも話し合って、見る時間やゲームをする時間を「何時間まで」とぜひ決めてください。

 説明の後、テレビやゲームの時間を家族で決めているかどうか聞いてみたが、決めているのは10名ほどだった。

指示4 今日の勉強の感想を書きなさい。はやく書き終わった人は、昨日見たテレビやゲームをした時間のうち、なくてもよかったところにバツをつけていなさい。

(子どもの感想)

テレビを見すぎたら、悪いえいきょうを受けるから、テレビを見る時間をへらす。(A君)

テレビにはいいところも悪い所もあるのが分かった。これからテレビを見る時間を決めたい。(Bさん)

テレビはいつも2時間より下にする。(C君)

テレビを見ても、いいことばかりあるのではなくて、悪いえいきょうもあることがわかりました。(D君)

そんなことになるんだなと思いました。最初は時間(ゲーム)を決めてたけど、その時間を守れなくなってしまいました。今日からちゃんと守ります。(Eさん)

こういうことがあるなんて、うまれてはじめてきいたから、あんまり見すぎないようにしようと思いました。(Fさん)

テレビを見るじかんをきちんときめていきたいとおもいます。テレビの見すぎをやめます。(Gさん)

お兄ちゃんみたいに、ゲームにむちゅうにならないようになりたいです。(Hさん)

 冬ということもあるのだろうが、意外にクラスの子のテレビやゲームの時間が長かった。

 向山先生は次のように書いている。

「やることができない」「続けることができない」という子供達には、何が足りないのだろうか。(中略) テレビ視聴時間が長すぎるのは、「家庭教育が不十分であった」「家庭内のルールが作用していない」、したがって、「子どもが自由勝手である」ということの一つのあらわれなのである。
『教え方のプロ・向山洋一全集12家庭教育の指針』P46〜P47

 いい機会であるので、保護者にも学級通信や参観日の懇談会を通して授業の内容を伝え、テレビ・ゲームなどの家庭内のルール作りについてともに考えていきたい。

(参考文献 「教え方のプロ・向山洋一全集12家庭教育の指針」)

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